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東京大学情報基盤センター、データ解析・シミュレーション向けの新しいスパコンシステムにSGI製品を採用

 日本SGI株式会社は21日、東京大学情報基盤センターから「データ解析・シミュレーション融合スーパーコンピュータシステム(システム名:Reedbush)」を受注したと発表した。システムは、7月1日より東京大学浅野キャンパス内の情報基盤センターで稼働開始予定。

 東京大学情報基盤センターは、大規模コンピューターシステムの構築・応用・利活用における国内有数の研究・教育機関。東京大学を含む8大学の情報基盤センターが連携する学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点(JHPCN)の中核拠点としても機能し、学内外に最先端技術によるスーパーコンピューターシステムを提供するとともに、JHPCN共同研究課題も含め、計算科学、ハイパフォーマンスコンピューティングに関する研究開発を実施している。

 センターでは、従来からの計算科学用途に加えて、ビッグデータ処理におけるデータ解析や機械学習などでもスーパーコンピューターを利用したいとの要望が増えてきたことから、こうした新しいユーザー層にも対応する「データ解析・シミュレーション融合スーパーコンピュータシステム」を設置することになった。

 新たに稼働するシステムは、CPUのみで構成される420ノードの汎用計算ノード群と、GPUが搭載された120ノードの演算加速ノード群で構成。ストレージシステムとして、有効容量5.04PBの並列ファイルシステムと、209TBの高速ファイルキャッシュシステムを備える。これらのシステムを、高速インターコネクト技術であるInfiniBand EDR 4x(演算加速ノードについてはInfiniBand FDR 4x 2本)により、100Gbps以上で各ノードを相互接続した並列計算システムとなる。

 両計算ノード群には、最新のXeon E5-2695 v4プロセッサーが搭載された「SGI Rackable Standard-Depth Servers」が導入される。演算加速ノードには、NVIDIAのGPUアクセラレーター製品「Tesla P100」を1ノードあたり2枚搭載。最新のCPUとGPUを搭載したノードを効率よく組み合わせることで、合計540ノードとコンパクトなシステムでありながら、CPUの理論演算性能値が653TFLOPS以上、GPUの理論演算性能値が1152~1272TFLOPS以上、合わせて1.795~1.926PFLOPSの高性能システムになるとしている(演算加速ノードは2017年3月1日より稼働開始予定)。