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2014年度はクラウド、ソーシャルなど4つのメガトレンドが成長する~米MicrosoftターナーCOO

Worldwide Partner Conference 2013 基調講演

 Microsoft Worldwide Partner Conference 2013の開催3日目となる米国時間の7月10日午前9時から、米Microsoftのケビン・ターナー(Kevin Turner)COOが基調講演を行った。

「NEXT」がテーマの基調講演

米Microsoft ワールドワイドパートナーグループのJon Roskilコーポレートバイスプレジデント

 基調講演の開始に当たって、米Microsoft ワールドワイドパートナーグループのJon Roskilコーポレートバイスプレジデントが、「今日の基調講演は、『NEXT』がテーマとなる。5年後の製品がどうなっているのかということを示したい」と切り出し、Microsoft Research フューチャーソーシャルエクスペリエンスラボのLili Chengゼネラルマネージャーが、ソーシャルネットワーク向けの技術を紹介。

 BLINKと呼ぶ技術では、専用アプリをダウンロードし、映像のなかの背景はそのままに、動いているものの一部を対象に自由に編集し、それをソーシャルネットワークに投稿できる技術を紹介した。画像の端っこを歩いているハトに、映像の中央部を歩かせることができるというものだ。

 また、XboxのクリエイティブディレクターであるCarl Ledbetter氏が、インダストリアルデザインの取り組みについて説明。「80年代には1人のインダスリアルデザイナーしかいなかったが、現在では多様な経歴を持った50人のデザイナーがいる。このチームがXbox Oneのデザインを作った。Xbox Oneでは、シンプルで、エレガントで、品質を高めたものを目指した。また、コントローラは約200個のデザインを作って、手にしっくり持てるものを作った。非常に上質なものに仕上がっている」と訴えた。

BLINKの技術をデモストレーション
Xbox One向けゲームコントローラの試作品の数々
スパム対策にHIV対策のノウハウを活用したという

 さらに、Microsoft ResearchのDavid Heckemanシニアディレクターは、スパムメール対策において、HIV対策のアプローチ手法を用いたという意外な発想を披露した。

 続けて登壇したのが、米Microsoft ワールドワイドパブリック部門のLaura Ipsenコーポレートバイスプレジデント。「2050年までに都市部に70%の人々が住むとの予測があり、Microsoftとして、都市に対して、戦略的なアプローチを行っていく必要がある」とコメント。「City Next」という新たな取り組みについて触れた。

 City Nextでは、街が持つ課題を解決することを目的に、Microsoftおよびパートナーのソリューションを活用していくための取り組みを体系化したもので、シカゴでは3万人の職員がOffice 365に移行することで、40万ドルの年間コストの削減を可能としたこと、オープンデータをAzureで構築した事例などを示したほか、デンマークではKinectを利用して高齢者へのサービスを提供していることなどを示しながら、「街では、経済的な発展や雇用の増加を求めている。だが、今後5年間の新たな雇用の9割には、ITスキルが必要となっている。Microsoftでは、今後5年間で7億5000万ドルを教育分野に投資し、こうした課題の解決に取り組む。パートナー各社も、ぜひCity Nextに参加してほしい」と呼びかけた。

 続けて、テストパイロットであるErik Cornelisse氏がゲストして登壇し、戦闘機のコックピットでWindows 8搭載タブレットを使用している事例を紹介。「かつてiPadをアフガニスタンで使用していたが、壊れてしまった。また、iPadの画面サイズは大きく、iPad miniでは小さい。8型はちょうどいいサイズだった。さらに、iPadはメンテナンスが大変であり、セキュリティにも課題があり、機密情報の保護ができなかった。Windows 8を搭載したタブレットであれば、こうた課題を解決できる」として、会場から大きな拍手が湧いた。

米Microsoft ワールドワイドパブリック部門のLaura Ipsenコーポレートバイスプレジデント
戦闘機のパイロットがWindows 8タブレットを使用するシーンを紹介

(大河原 克行)