【Japan IT Weekレポート】EMC、日立、サイボウズ、FireEyeなどの最新ソリューションが展示

大成建設のデータセンター建築事例も


 「クラウドコンピューティングEXPO 秋」など6つの展示会から構成される「Japan IT Week 2012秋」が、24日から26日まで幕張メッセにて開幕されている。

 ここでは、「クラウドコンピューティングEXPO 秋」を中心に、「ビッグデータ&データマネジメント 秋」、「データセンター構築運用展 秋」、「情報セキュリティEXPO 秋」もまじえて、会場の様子をレポートする。

 

EMC、仮想化インフラパッケージVSPEXや、スケールアウトNASを展示

 EMCのクラウドコンピューティングEXPOでのブースでは、仮想化インフラのソリューションパッケージ「VSPEX」について展示している。

 VSPEXは、仮想化インフラを構成するハードウェアやソフトウェアを参加各社の製品を規模ごとに組み合わせ、事前検証済みでパートナー企業に提供し、パートナーがアレンジして販売するもの。ストレージ(EMC)やネットワーク(ブロケード)、x86サーバー(HP、DELL、IBM、NEC、インテル、シスコ)、ハイパーバイザー(VMware、マイクロソフト)、アプリケーション(VMware、Citrix)が含まれる。これにより、仮想インフラの導入を簡単、低価格、低リスクにする狙い。

 ブースではEMCのほか、パートナーであるネットワールドやネットワンシステムズなどが、それぞれのソリューションを展示している。

EMCによるVSPEXの説明展示
ネットワールドのVSPEXの展示。24VMや125VMなどの比較的小規模なソリューションやバックアップオプション、導入前のテストなどを提供ネットワンシステムズのVPSXの展示。VSPEXの基本ソリューションや、同社のVDIのマルチデータセンター構成などを紹介
VSPEXに参加するNECの展示。Express 5800サーバーや、クラスタリングソフトCLUSTERPRO、OpenFlowスイッチなど伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)のCTCクラウドバックアップサービス。EMCのAvamarと閉域網を使い、専用エージェントから重複除外したうえでCTCのデータセンターにバックアップをとる

 EMCは、ビッグデータ&データマネジメントEXPOにも、スケールアウトNAS製品Isilonのブースを出展している。

 まず、IsilonのOSの最新版Mavericks(コードネーム)の紹介を展示。“普通のNASの機能”として、マルチテナントやVMware API対応などを追加したという。

 また、IsilonのNASをHDFSプロトコルでHadoop環境に組み込むアイシロンHDFSサポートも展示。冗長化などをIsilonの機能にまかせたり、HDFSとして使いつつNASとしてアクセスしたりできるという。

 なお、ブースでの説明によると、現在のところ映像の配信や格納での導入事例が多いとのことだった。

EMCのスケールアウトNAS「Isilon」のブース
IsilonのOSの最新版である「Mavericks」(コードネーム)の紹介IsilonのNASをHDFSプロトコルでHadoop環境に組み込む「アイシロンHDFSサポート」の紹介

 

大成建設のデータセンター建築事例

 大成建設がデータセンター構築運用展に設けたブースでは、同社のデータセンター建築の実績として、さくらインターネット(直接外気冷房)、ほくでん情報テクノロジー(間接外気冷房)、アイネット(免震)の事例が紹介されていた。

 比較的新しいのが、ほくでん情報テクノロジーの、札幌での間接外気冷房の事例だ。自然循環冷媒を使うことで、ポンプを使わずに屋内の熱を屋外に排出する。これにより、従来方式に比べると20%の電力を削減できるという。また、直接外気冷房に比べると、従来のデータセンターを元に導入でき、粉じんや塩害対策が不要なのが特徴だという。

ほくでん情報テクノロジーの間接外気冷房の事例
さくらインターネットの直接外気冷房の事例アイネットの免震の事例

 

サイボウズ、クラウドサービスをカフェ風に展示

 サイボウズのブースでは「サイボウズカフェ」と題し、カフェ風の内装で同社のクラウドcybozu.com上のサービスを紹介。サイボウズOfficeやGaroon、kintoneなどを説明するほか、コーヒーを飲みながらcybozu.comを体験するコーナーなども設けていた。また、ステージでは、kintoneアプリを3分でカスタマイズするデモなどもなされていた。

サイボウズブース「サイボウズカフェ」のkintoneの展示サイボウズブース「サイボウズカフェ」のGaroonの展示
サイボウズブース「サイボウズカフェ」のサイボウズOfficeの展示コーヒーを飲みながらcybozu.comを体験するコーナー
kintoneアプリを3分でカスタマイズするデモ

 

マルウェア防御システムFireEyeをロボットが宣伝

 ファイア・アイは、情報セキュリティEXPOでの自社ブースと、クラウドコンピューティングEXPOでのマクニカネットワークのブースで、マルウェア防御システム「FireEye」を展示。さらにロボット型の着ぐるみ(?)キャラクターが展示会場を練り歩いていた。

 FireEyeは、標的型など、新しいパターンが次々出現しシグニチャだけでは対応できないマルウェアに対策する製品。スイッチの部分で通信内容をコピーし、仮想実行エンジン(VxE)でJavaScriptやPDF、Flashなどをチェックして、マルウェアをブロックする。Webトラフィック向けの「Web MPS」と、メール向けの「Email MPS」の2製品がある。

マルウェア防御システム「FireEye」FireEysのキャラクターのロボットが会場を練り歩く
マルウェア防御システム「FireEye」の説明

 

NTT-AT、帯域制御とメディアキャシュを紹介

 NTT-ATのブースでは、Allot社の帯域制御製品と、PeerApp社のメディアキャッシュ製品を紹介していた。

 Allot社の製品では、流れているトラフィックをアプリレベルでモニターし、アプリケーションやユーザーごとにトラフィックを絞ったりできるもの。例えばP2PやYouTubeなどに帯域制限をかけたりできる。これによりISPなどが一部の通信により全体の回線負荷が大きくなるのを防ぐ。

 また、PeerAppの「UltraBandソリューション」は、ISPなどでアクセスをキャッシュすることで、回線負荷を抑える。例えばYouTubeの動画を再生するときに、1回目のアクセスでタグづけし、2回目のアクセスでキャッシュし、3回目のアクセスからはキャッシュから配信するといったことができるという。

NTT-ATのブースでは、Allot社の帯域制御製品と、PeerApp社のメディアキャッシュ製品を紹介

 

PCなどの管理ソリューションが各社から

 情報セキュリティEXPOでは、PCの利用状況などをモニターする管理ソリューションが数社展示されていた。

エムオーテックスのPC管理ツールの最新版「LanScope Cat7」。社内のPCの操作履歴をモニターし、セキュリティのレポートを作成したり警告したりする。Cat7ではPCと人の両方をキーに管理できる
エムオーテックスのPC管理サービス「LanScope An」。GPSによる現在位置や移動履歴、操作履歴などをモニターしてレポートできる。リモートロックやリモートワイプの機能も
ディー・オー・エスのPC管理ツール「SystemSupportbest1(SS1)」。座席やネットワーク構成に結びついた管理、PCの電源オプションの管理などの機能もある。Android端末向けの「SS1 Mobile Manager」も展示
日立のPC管理ツール「Hitachi IT Operations Director」。100台42万円からTDIシステムサービスのPC管理サービス「Smart TEMS」。初期費用0円、1台300円/月
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