【Citizenship Day 2010】MS、NPO向けに「Dynamics CRM Online」を特別提供


 マイクロソフト株式会社は12月2日、イベント「Microsoft Citizenship Day 2010」および「Microsoft Innovation Day 2010」を開催した。Microsoft Citizenship Day 2010は同社による社会市民活動に関するイベントで、今回が初開催となる。また、Microsoft Innovation Day 2010はITベンチャーによるイノベーションを支援するイベント。両イベントは、クラウドの活用などを核に、1つのイベントとして開催された。

Microsoft Citizenship Day 2010Microsoft Innovation Day 2010

クラウドで社会活動を支援

 基調講演に登壇したマイクロソフト株式会社 代表執行役社長の樋口泰行氏は、マイクロソフトの社会市民活動に関する取り組みについて語った。マイクロソフトでは、就業支援や農村の支援などのため、56万人にITスキルを教育したりインターンシップを提供したりする活動を行なっているという。

 樋口氏は、「マイクロソフトはソフトウェアの可能性を信じている。ITが人のポテンシャルを広げると考えている」と説明。マイクロソフト創業当時のビジョン「すべての机に家庭にコンピュータを」を引きあいに出しながら、「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」がマイクロソフトのミッションであると説いた。

 さらに、これからクラウドと、スマートフォンやスレートPCなどのデバイスが進化していくことで、どこでもクラウドを通じてつながっていくようになり、クラウドが社会を変えるだろうと語った。

 ビデオメッセージで登場した文部科学省 副大臣の鈴木寛氏も、よりよい社会を作るためには市民や企業、行政が地域コミュニティでコラボレーションしていくことが必要と主張。クラウドによって、小学校や中小企業、個人までネットワークに接続したPCやモバイル機器でITの恩恵を享受できると語った。

マイクロソフト株式会社 代表執行役社長 樋口泰行氏創業当時のビジョン「すべての机に家庭にコンピュータを」
「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」文部科学省 副大臣 鈴木寛氏

NPO向けにMicrosoft Dynamics CRM Onlineを提供

 樋口氏は具体的な方策として、1月からスタートするクラウド型CRMサービス「Microsoft Dynamics CRM Online」を、NPO向けに最適化して提供することを発表した。

 NPOの活動では支援者とのつながりが重要だが、特に中小規模のNPOではそうした事務作業のIT化が遅れているという。Microsoft Dynamics CRM OnlineをNPO向けに最適化し、特別価格で提供(予定)することで、業務効率化を促進する。なお、クラウド型CRMサービスで先行するSalesforce社も、社会貢献活動「1/1/1モデル」をうたい、NPOでの採用を増やしている。

 また、NPOの組織運営向けのテンプレート「Dynamics CRM NPOテンプレート」を開発。12月22日より試用版を、Microsoft Dynamics CRM Onlineの開始時には正式版を無償提供する。特定非営利営業活動法人 日本NPOセンター事務局を通じて配布。テンプレートは、クラウドのほか、オンプレミス型のDynamics CRMにも対応している。

 「Dynamics CRM NPOテンプレート」は、日本NPOセンターと有限会社ページワン、マイクロソフトの3者で開発した。日本NPOセンター 事務局次長の坂口和隆氏は「、NPOにITの活用を啓蒙し、手作業を例えばExcelに変えるなど事務作業を省力化することで、本来の活動をパワーアップできる」と語った。また、実際の開発を担当した有限会社ページワン 代表取締役の木村譲氏は、「いままでの社会や企業のアーキテクチャでは通用しなくなっている」ことを挙げ、Dynamics CRMが変化のためのいい機会になるだろうと語った。

NPO向けにMicrosoft Dynamics CRM Onlineを提供する
日本NPOセンター 事務局次長 坂口和隆氏有限会社ページワン 代表取締役 木村譲氏

アグネス・チャン氏も講演

 基調講演のほかにも、ITベンチャーのソリューションを表彰する「Microsoft Innovation Award 2010」の表彰式や、スペシャルゲストのアグネス・チャン氏による講演なども開催された。また、学生・シニア・NPO・ITベンチャーの4つの分科会に分かれたセッションも開かれた。

アグネス・チャン氏
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