「エンドユーザーコンピューティングが大きく変わる年だ」~ヴイエムウェア・三木泰雄社長


 「いよいよ仮想化が主役の時代を迎えた」と、ヴイエムウェアの三木泰雄社長は切り出す。企業情報システムにおいて仮想化の比重が高まることで、IT部門はシステム構築の発想を変え、必要とするプロダクトそのものが変化するといった動きが表面化している。ヴイエムウェアは、こうした変化をとらえた製品群の投入を加速する考えを示す。

 その一方で、2011年から積極的な取り組みをみせているのが、エンドユーザーコンピューティングである。スマートフォンやタブレット端末の浸透により、マルチデバイス環境での活用が広がるなか、ヴイエムウェアはこの分野でもリーダー的役割を果たす考えだ。ヴイエムウェアの取り組みについて、三木社長に話を聞いた。

 

2011年のビジネスは極めて好調、ミッションクリティカル領域にも浸透

――2011年は、ヴイエムウェアにとってどんな1年でしたか。

ヴイエムウェアの三木泰雄社長

三木社長:ビジネスという観点でみれば、極めて好調な1年であったといえます。

 最新の公表値である2011年第3四半期(7~9月)の全社売上高成長率は前年同期比32%増。このうち北米が22%増、それ以外の地域が42%増となっています。すでに北米以外の売上高が、北米の売上高を上回り、そのなかでも日本と中国の成長率が特に高い。つまり、日本は42%増という成長率を上回る成長を達成しているわけです。年間を通じても、この傾向が続いています。

 その背景にあるのは、日本の企業が仮想化することを当たり前のこととしてとらえ、仮想化に対してちゅうちょしなくなったことがあげられます。いまや、仮想化を前提として、いかに効率化するかといったところに焦点が集まるという、次の段階へと入ってきています。

 また、東日本大震災の影響もあり、BCPやディザスタリカバリを緊急の課題としてとらえ、データセンターの活用を検討する企業が増えています。もちろん、これまでにもクラウドの活用を検討してはいましたが、あまり本気ではなかった。本気で検討する企業が増えてきたところが大きな変化だといえます。

 そして、ミッションクリティカルの領域でも仮想化が確実に浸透してきている。2010年までは、SAPの仮想化事例などを強くアピールする傾向がありましたが、いまではそうした事例が数多く存在し、特別に訴求するものではなくなっています。むしろ、SAPの案件では、仮想化を検討するほうが当たり前になってきています。こうした状況からも、ミッションクリティカル領域における仮想化の取り組みは、ある種、定着したといってもいいのではないでしょうか。

 当然、ミッションクリティカルにもレベルがありますから、まだまだ強化しなくてはならない部分が多い。当社でも、ミッションクリティカルでの仮想化を支援するメニューをさらに強化していく必要があります。

 そして、もうひとつ、見逃せない重要な動きは、デスクトップの仮想化に対して前向きに取り組む企業が増えてきたことです。

――デスクトップの仮想化が注目を集める理由をどうみていますか。

三木社長:一昨年までは、デスクトップの仮想化といっても、セキュリティ強化の目的でシンクライアントを導入しようという事例が多かったのですが、いまはセキュリティを前面に出すよりは、事業継続などの観点、あるいはスマートフォンや、iPadなどのタブレット端末が普及してきたことを背景に、マルチデバイスを有効に活用する仕組みとして、デスクトップの仮想化をとらえる段階に入ってきています。その点では、私自身も、マーケットの大きな変化を感じており、これは今後数年の大きな潮流になるでしょう。

 

エンドユーザーコンピューティングへ注力していく

――一方で、ヴイエムウェアでは、2011年は、vSphere 5をはじめ、さまざまな製品を投入してきましたね。これらの製品をどう位置づけていますか。

三木社長:ヴイエムウェアでは、「クラウドインフラストラクチャとその管理」、「クラウドアプリケーションプラットフォーム」、「エンドユーザーコンピューティング」という3つの領域をターゲットとしています。以前からの延長線上ともいえるインフラ領域においては、vSphere 5を投入し、これに関連するセキュリティ製品などを強化してきました。この分野は、ヴイエムウェアが先行していると、多くのお客さまに支持されている領域ですが、vSphere 5の投入によって、競合他社をさらに引き離せたと考えています。

 一方、プラットフォーム領域では開発、実行環境をサポートするための製品群を積極的に取りそろえてきました。仮想化、クラウド環境向け統合アプリケーションプラットフォームのvFabric5が、その最たるものとなります。

 しかし、そうしたなかでも、もっとも大きな進化は、やはりエンドユーザーコンピューティングの領域だといえます。ここでのキーメッセージは「ポストPC時代」。いままでは、なんらかの仕組みを使い、データセンター側でPC上のアプリケーションを稼働させ、Windowsの端末からアクセスするようなシンクライアントを中心に語られていた領域ですが、いまや、Windows上のアプリケーションの多くがデータセンターで利用できるようになり、さらにそこにアクセスするデバイスは必ずしもWindowsが動作する端末ではなくなってきています。

 一人が複数の端末を使い、しかも、それらの端末からは、さまざまなアプリケーションが利用でき、いつでも、どこからでもアクセスするという使い方が出てきています。これがエンドユーザーコンピューティングというわけです。

 ただし、ヴイエムウェアが語るエンドユーザーコンピューティングとは、人とその人が使うアプリケーションを結びつけるものとなります。デバイスを中心とした考え方ではなく、人が中心であることを重視しています。

 いまはまだ、最初のステップとして、Windowsによるデスクトップを仮想化する動きが中心ですが、2011年にヴイエムウェアは、大きな将来像までを描いた上で、製品体系をマッピングし、それに向けた製品を投入してきました。Horizon App Managerや、DropBoxの仕組みを持ったProject Octopus、スマートフォン用の仮想化ソフトのMobile Virtualizationなどがそれにあたります。エンドユーザーコンピューティングの将来像を描き、それに向けた製品体系を発表したことは、2011年の出来事としては大きなものでありますし、お客さまからの反響も大きかったといえます。

 

コンサルティングへの取り組みをさらに強化

――ところで、ヴイエムウェアは、2011年に、コンサルティング体制の強化に力を注ぐことを明言していましたが、その点での成果はどうですか。

三木社長:コンサルティング領域から、当社とともにプロジェクトをスタートさせるお客さまが増えており、確実に成果が出ています。コンサルティング案件はこの1年で2倍以上に増えていますし、さらに2012年も2倍以上の成長を見込みたい。その動きとあわせて、包括契約であるエンタープライズ・ランセンス・アグリーメント(ELA)を結ぶお客さまも増えています。ELAの契約数も、3倍以上に増えています。

 ただ、コンサルティングへの取り組みはまだまだ加速していく必要があります。サーバーの統合率をみると、米国と日本ではまだ大きな差がある。当社の調査によると、日本では平均すると6~7台ぐらいですが、米国では12~13台ぐらいと、実に倍ほどの差がある。

 運用の自動化、DRS(ディストリビューテッド・リソース・スケジュール)といった機能がまだまだ活用されていないことが理由のひとつです。これらの機能を活用するともっと統合率をあげることができる。実は、DRSは、ハイエンドのライセンス契約をしているユーザーには標準で提供している機能であり、新たにライセンスを購入しなくても、すぐに使うことができる。その点では、われわれのメッセージが届いていなかったという反省もあります。これをもっとうまく使っていただきたい。

 われわれの売り上げは増えるわけではないが(笑)、稼働率をあげること、仮想化してサーバーの数を減らすということは、電力消費量の削減には寄与する。いま日本で求められているニーズに合致するのです。こうしたことにも貢献していきたい。コンサルティングの強化、パートナーとの共同提案などによって、これを促進したいですね。

――パートナー戦略についてはどうですか。

三木社長:パートナー支援策は、OEMパートナーとソリューションパートナーに対する2本柱で展開しています。オンラインでの情報提供などのほか、エンドユーザーコンピューティング実現のためのトレーニングなども進めています。また、震災後にディザスタリカバリサイト構築に対する要望が高まっていますので、それに対する支援体制も構築しています。

 認定資格であるVCP(VMware認定技術プログラム)の取得者は、現時点で5000人以上となっており、昨年から1000人規模で増加しています。これは、パートナー企業におけるエンジニア強化という重要なテーマに対する強化にもつながっています。

 実は、VCPの上位資格として、VCAPという制度があります。厳しい試験内容であることに加え、まだ試験内容が日本語化されていないため、国内の資格取得者はようやく2けたに到達したところです。今後は、こうした上位資格にチャレンジする日本のエンジニアも増えていくだろうと考えています。

 

Your Cloudというメッセージの意味

――ヴイエムウェアではYour Cloudというメッセージを掲げていますね。この意味するところをあらためてお聞かせください。

三木社長:企業には、それぞれに固有のシステム環境があります。自社に残るシステム、一時的にデータセンターを活用するもの、そして、クラウドを活用するものなど、多岐にわたります。これらをハイブリッドクラウドの形として運用する上で、それぞれの企業の事情に応じて構築していく必要があるというのがYour Cloudの基本的な考え方となります。

 つまり、Your Cloudの「Your」には、「個別のお客さまごとの」という意味があります。新たに生まれた会社以外は、既存のIT資産を必ず持っているわけですから、それぞれの会社にあったYour Cloudを作っていくことが大切です。

 では、それがどのレベルまで進ちょくしているのかといえば、まだまだ緒についたばかりです。クラウドとは、一般的には、インターネットを使用し、大規模にリソースをプール化し、そのプールを拡張したり、縮小したりというように柔軟性があることに加え、ポータブルセルフサービスなどのように自動化ができること、従量課金の仕組みがあるといった要件で構成されるものだと定義できます。サービスプロバイダーだとこれらの要件がかなりそろっているといえますが、企業のなかのプライベートクラウドでは、まだそこまで完ぺきにできているところは少ない。そこまで一気にそろえられるわけではありませんから、順次強化している段階にあります。

 Gartnerの発表によると、2016年にはメインフレームで稼働しているシステムなど、クラウドに移行できないシステムは約3割残りますが、残りの7割のうち、5割がプライベートクラウド、2割がパブリッククラウドに移行するとみられています。

 つまり、ハイブリッドクラウドは少なくともパブリッククラウドの2割のところで実現されるものになります。いまの動きとしては、プライベートクラウドを構築している顧客が増加し、それを進化させていく過程にある。

 一方で、パブリッククラウドを活用する顧客が増加し、プライベートクラウドとパブリッククラウドの双方を利用する例も増えていますが、これらをシステムとして連携している企業は少ない。その点ではまだまだこれからです。また、パブリッククラウドという点では、データセンターを所有するサービスプロバイダーも、われわれにとってみれば重要な顧客となります。当社の売り上げ規模の観点からみても大きな比重を占めます。

 私は、Your Cloudが目指す、本当の意味でのハイブリッド環境は、これからだと思います。そして、Your Cloudに向けて進んでいる企業と、まだこれからという企業と、幅が広いというのがいまの状況ですね。昨年秋に日本で開催した当社最大のプライベートイベントのvForum 2011では、約8000人の来場がありましたが、仮想化入門のような初歩的なセッションのコマがすぐに満席になった。仮想化を当たり前としてやっている企業が増える一方で、これから取り組もうという企業が増加していることの証しです。

――一方で、vForum 2011では、IT as a Serviceを提唱しました。ここにはどんな狙いがありますか。

三木社長:IT as a Serviceは、水や電気のように、いつでも、使いたいときに、リソースを使いたいだけ使え、ビジネスに貢献できるITを構築することを目指したものです。

 ですから、ビジネスニーズの変化にあわせて、柔軟にシステムを稼働させられなくてはならない。明日、データセンターを2倍使いたいという場合にもすぐに使え、しかもそれが自動化され、アプリケーションの負荷が高くなってきた場合に、システムが自動的にリソースを拡張して展開する。また、データベースへのアクセスが増えれば、自動的に拡張してくれるというようなものでなくてはなりません。

 コンピュータのリソースの制限を意識することなく、しかも、拡張の際には、エンジニアがいちいちセットアップにいくのではなく、システムが自動的に行っていく。こうした最新の画期的な技術によって成し得る世界を示したものがIT as a Serviceです。

 

マイクロソフトとはほとんど競合していない

――最近、マイクロソフトがヴイエムウェアをかなり意識した発言をしていますが、それは気になりませんか?(笑)。

三木社長:まったく気にならないというとうそになりますが(笑)、実際のところは、サーバーの仮想化やプライベートクラウドの構築といったところで、マイクロソフトとはほとんど競合していないんです。

 目につくところでは、競合して負けたということはほとんどない。特に、RFPが出るようなプロジェクト案件では、VMwareと、マイクロソフトの仮想化製品を一緒に扱っているパートナーでも、5社あれば5社ともがVMwareを提案しているはずです。

 日本のお客さまは、製品の細かいところまで評価をする傾向が強い。例えば、大規模サービスプロバイダーの間では、VMwareのvMotionと、マイクロソフトのLive Migrationとの性能の違いを指摘する声が多い。Live Migrationではマイグレーションするスピードが追いつかないので、vMotionしか選択肢がないというのです。

 また、市場シェアの話も出ていますが、よくよく聞いてみると、マイクロソフトは、物理サーバーの台数で数えている場合がある。ローエンドサーバーで3台の仮想サーバーが動作している場合も、ハイエンドサーバーで20台の仮想サーバーが動いている場合も、いずれも1台と数える。この算出方法では、2社のシェアは拮抗(きっこう)します。しかし、本来ならば仮想サーバーの数を比べるのが本当の市場シェアを表すことになるのではないでしょうか。仮想マシンの数が何台動いているのかという点からみると、VMwareは圧倒的だといえます。そうしてみると、極端に気にするほどのものではないですね。

 また、エンドユーザーコンピューティングの領域においても姿勢には差があります。マイクロソフトは、Windowsの延長線上で物事を考えなくてはなりませんが、ここでのわれわれのメッセージは「ポストPC」です。ヴイエムウェアはその先のあらゆるデバイスを視野に物事を考えることができる。デスクトップを仮想化するというのはそのひとつのステップであり、その先に対しても、メッセージがあるところが大きな違いです。

――仮想化の領域が増えてくると、その環境におけるベンダーロックインを懸念する声もありますね。

三木社長:日本のユーザーに限らず、世界的にみても、ベンダーロックインに対して懸念を持つユーザーは多いですね。

 ただ、ユーザー企業は、現時点で、ヴイエムウェアに対して、ベンダーロックインであるとか、プロプライエタリであるという意識はないと思います。確かに、ヴイエムウェアは仮想化の部分だけをみると、ひとつのコンポーネントを提供しているベンダーですが、どのハードウェアベンダーのサーバーでも稼働しますし、セキュリティに対しても、あらゆるセキュリティベンダーと連携し、すべてのストレージベンダーとも連携しています。そして、数多くのバックアップソフトウェアとも連携している。

 ヴイエムウェアの環境において、多くのIHVやISVと連携し、さまざまソリューションが開発されています。その点ではオープン性があるといえるのではないでしょうか。

 

2012年は、これまでの延長線上で進化する年に

――2011年を振り返ると、ヴイエムウェアに当てはまるキーワードはなんでしょうか。そして、2012年はどんな年になりますか。

三木社長:2011年は、仮想化をベースにしたソリューションがそろってきたこと、それが世の中のキーテクノロジーになってきたことがあげられます。つまり、「仮想化が主役」になってきた1年であったといえます。これまでは、物理環境が8割で、仮想化環境が2割というような企業が多く、結果として、どうしても物理環境を中心に物事を考え、そこに仮想化を乗せるという発想にならざるを得なかった。しかし、仮想化環境が5割を超えてくると、仮想化環境を主役ととらえ、セキュリティや運用、ネットワーク、デスクトップの仕組みも仮想化環境を前提に考えるようになってくる。開発環境も同様に仮想化環境を前提としはじめる。

 例えば、セキュリティ分野において、当社はトレンドマイクロと連携しましたが、単にデスクトップを仮想化しただけで、物理環境の発想でこれに対応しようとすると、それぞれの仮想マシンのなかにセキュリティソフトを入れて、朝立ち上げた途端に一斉に社内のスキャンが始まるという負荷がかかる。この発想では、効率よく運用できず、仮想化時代の環境が成り立たない。セキュリティソフトも、それぞれの仮想マシンのなかではエージェントレスで監視するといったことが求められるのです。今後、仮想化を主役としてとらえたプロダクトが、ISVやIHVから登場してくることになるでしょう。仮想化が主役になったことで、システムに対する発想が変わり、求められるプロダクトも変わってくるというわけです。

 一方で、2012年は、これまでの延長線上での進化を遂げる1年となります。プライベートクラウドの世界を進化させ、パブリッククラウドの強化にも取り組み、ハイブリッドクラウドによるYour Cloudの実現も進展させたい。自動化、運用管理の提案によって、お客さまに仮想化のインフラをもっとうまく活用していただきたい。そのためには、引き続き、コンサルティングを強化し、パートナーとの連携を強化していかなくてはなりません。

 そして、やはり、大きな変革としては、エンドユーザーコンピューティングの領域が、いままで以上に大きく変わっていくだろうと考えています。IT部門にしてみますと、スマートフォンやiPadなどのタブレットが急速に広がり、エンドユーザーが好き勝手に、さまざまなデバイスを使うようになることは悩ましいところですが(笑)、だからといって、これだけ普及し、便利なものに対して「それを使えません」とはいえない状況になっている。むしろ、これをどうやって活用していくかというポジティブな方向で考えはじめています。

 米国では、個人が所有する機器を業務で使用するBring Your Own Device(BYOD)という考え方が広がりはじめているのは周知の通りですが、米国で普及すれば、これが日本にも上陸してくるでしょう。そうなると、日本でもエンドユーザーコンピューティングがさらに広がることになります。そして、同時に、エンドユーザーコンピューティングを具体化するためのソリューションも整いはじめている。

 こうした流れのなかで、ヴイエムウェアはエンドユーザーコンピューティングの領域での存在感を高めることに力を注いでいきたい。これが、2012年の目標です。ヴイエムウェアはエンドユーザーコンピューティングの仮想化におけるリーディングカンパニーであるというイメージが定着するところにまで、早期に持って行きたいですね。

 さらに、全国展開を強化したい。現在、東京と大阪に拠点がありますが、大阪の拠点の人員増強に加えて、パートナーとの連携によって、全国的に展開できるすそ野を広げていきたいと思っています。

――2012年のヴイエムウェアの取り組みを表現する言葉はなんですか。

三木社長:ひとつは「信頼」だといえます。われわれのソリューションが、企業の基幹部分に活用されはじめています。そのなかで、われわれが日本において、もっと信用され、信頼され、尊敬される企業にならなくてはならない。もうひとつは、「100%仮想化」時代に向けた歩みをさらに加速させていこうというものです。そして、いま、本当の意味でのYour Cloud元年を迎えようとしている、ともいえるでしょう。

 クラウドに移行するためにはいくつかのステップがあります。まずは仮想化することから始まりますが、その結果、仮想化の「島」が会社のなかにたくさんできることになる。いまはそれを統合しようという動きに向かっています。そして、パブリッククラウドにおいては、企業が求める可用性を持ち、信頼性を担保できる、サービス基盤としての環境が整いつつある。これらがうまく連携するというステップを踏んでいくなかで、ハイブリッドクラウドが構築できるようになります。

 ようやくそれに向けて動きはじめたといえるでしょう。ヴイエムウェアは、そうした市場の変化のなかでも、中心的なポジションを確立し、さまざまな製品、サービス、コンサルティングを提供しつづけていくことになります。

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