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モノづくりを加速 5ドルのRaspberry Pi「Zero」

「できる限り安価なコンピューターを目指すべき」

 衝撃の価格でデビューしたZeroだが、Upton氏は、実はもっと高価なモデルを考えていたのだという。それを変えたのが、Googleの持ち株会社Alphabetの会長であるEric Schmidt氏のアドバイスだったと、Wall Street Journalなどが伝えている。

 Upton氏のインタビューによると、2013年1月、財団がGoogleから100万ドルの助成金を受けた際、Schmidt氏と話す機会があった。Upton氏は、次は50ドルから60ドル程度で、よりパワフルなモデルを作るつもりだと説明した。これに対してSchmidt氏は、それは間違ってる。可能な限り安価なコンピューターを目指すべきだとアドバイスした。「人生が変わるような会話だった」(Upton氏)という。

 結局、それまで用意していた高価なモデルのための設計を全部スクラップにして、同じ性能で安価なモデルに取り組んだ。Upton氏は同価格で性能をアップしたPi 2を2015年初めにリリースしたあと、圧倒的に低価格のZeroを今回、世に送り出した。Schmidt氏との対話から3年がたっている。

(行宮翔太=Infostand)