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クラウド時代でセキュリティに照準 Ciscoの成長戦略

セキュリティ市場で2位に浮上

 Ciscoはその1週間後、「Security Everywhere」戦略を発表した。クラウド、ネットワーク、エンドポイントを保護の対象とするもので、クラウドアプリケーションのデータを安全にする「Cisco Cloud Access Security(CAS)」などの新製品、それにサービスを発表した。これには、今夏に6億3500万ドルで買収したOpenDNSも含まれており、DNSおよびIPの両方のプロトコルについて、あらゆるデバイスに高度な保護を提供する「OpenDNS Umbrella」も含まれている。

 Ciscoのシニアバイスプレジデント、David Goeckeler氏は背景について、「セキュリティは分断化されている」「企業ネットワークに脅威が侵入してから、それが発見されるまでに要する時間は100日から200日」とDaily Cloudに語っている。

 Goeckeler氏によると、Ciscoの顧客は平均して50以上のセキュリティ製品を導入しており、多くが別々に管理しなければならない状況だという。Security Everywhereは、ネットワークだけでなく、クラウドとエンドポイントも保護して、この課題に対応できるというわけだ。その結果、脅威の検出までの時間を46時間に短縮できるとしている。

 Ciscoはまた、パートナー企業約30社とセキュリティに関するデータを共有し、APIを経由してセキュリティポリシーを実施するプログラム「pxGrid」も展開している。これには、Checkpoint Software Technologies、Infobloxなどが参加している。

 Ciscoはネットワーク機器ベンダーだが、Goeckeler氏が「セキュリティはCiscoのナンバー1の優先事項」と語っているように、セキュリティが重要な技術となっている。同社が2015年に買収した10社のうち、3社がセキュリティ分野だ。実際、同社のセキュリティ事業はランレート(推定売上)が20億ドル、これはSymantecに次いで2位の規模だという。

(岡田陽子=Infostand)