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ついに悲願達成? Googleのモバイル通信サービス進出

モバイルキャリアをうかがってきたGoogle

 Googleのモバイル進出の動きは初めてではない、2008年には、米連邦通信委員会(FCC)が実施したアナログ地上波“跡地”の700MHz帯電波競売に参加(結局、Verizonが100億ドル近い額を投じて主要部分を獲得している)。2012年には、Googleが衛星放送サービスの Dish Networkとワイヤレスネットワークのサービスを立ち上げるべく交渉していると報じられた。

 さらに2013年初め、シリコンバレーの本社付近に独自のワイヤレスネットワークの実験的設備を計画している、とWall Street Journalが伝える。同紙は数カ月後、Googleがワイヤレスネットワークの実験的設備を東南アジアや北アフリカなど海外にも広げているとスクープ。Googleはそれぞれの地域の通信事業者と提携し、可能であればテレビ・放送帯域の電波も利用したい考えだと伝えている。また2014年には、MVNOの噂が出始める。交渉相手としてVerizon、Sprintの名が出た。

 そして今年1月下旬、GoogleがSprintとT-Mobile USとそれぞれ回線借り受けの交渉をしているとWall Street Journalが報じた。交渉は1年半前から行われているという。さらに同紙は、Googleの幹部がFCCに対し、到達距離が短く携帯電話に向かないと考えられている周波数帯を、安価なモバイルアクセスとして利用可能にするようロビー活動を展開していたとも伝えている。

 Googleは何年もワイヤレスサービスのプロジェクトに取り組んでおり、その目的はインターネットのカバー範囲を拡大することだという。

 「人々が、よりよい、安価なインターネットアクセスを手に入れることでGoogleも利益を得られる。なぜなら、彼らは検索し、YouTubeで動画をストリーミングし、Gmailやメールを送り、Androidスマートフォンでテキストメッセージを送る」とWall Street Journalは事情に詳しいという関係者の証言を紹介している。

 また、このころから「Nova」というコードネームのプロジェクトがメディアに頻繁に顔を出すようになった。

(行宮翔太=Infostand)