Infostand海外ITトピックス

Amazonのスマートフォンはゲームチェンジャーか 「Fire Phone」発表

 Amazonが自らのスマートフォン「Fire Phone」を発表した。数年前から何度もうわさに上ってきたが、ついにその全容が明らかになった。だが、最近のタブレット「Kindle Fire」のシェアは伸び悩んでいる。今、スマートフォンを投入することへの懐疑論も少なくない。Amazonの狙いは何だろう。

タブレットに次いで、スマートフォンに進出

 AmazonのCEO、Jeff Bezos氏が6月18日、満を持して発表した「Fire Phone」は、Androidをベースとした独自「Fire OS」をベースとしたスマートフォンだ。2.2GHz動作のクアッドコアプロセッサと2GBのRAMを内蔵。画面は4.7インチで、カメラは13メガピクセルなど、ハイエンドと分類できるスペックを持っている。

 最大の特徴は商品検索の「Firefly」だ。端末のカメラとマイクを利用した認識技術で、見たもの・聞いたものをその場で購入できるという。書籍、CD、食品など製品についているバーコードはもちろん、音楽や動画の場面なども認識できる。1億件以上のアイテムを持つAmazonの製品データベースから詳細な情報を探して表示するほか、テキストや数字のOCR機能としても利用できるという。AmazonはFireflyをプラットフォームとすべく、サードパーティがアプリを開発できるSDKも公開した。

 もう1つの特徴は、「Dynamic Perspective」を利用した3Dのような画面だ。メインカメラと合わせて超広角域のカメラ4基を利用してユーザーの動きに反応し、立体的な表示を実現するステレオビジョン技術だ。こちらもサードパーティ向けのSDKを公開している。このほか、オンサイトの技術サポート機能「Mayday」や、端末で撮影した写真などを保存できるクラウドサービスも付属する。

 Fire Phoneは7月25日からAT&Tが独占的に販売する。本体価格は32GBモデルが649ドル、64GBモデルが749ドル。1年間「Amazon Prime」を無料で利用できるサービスなどもバンドルされる。

(岡田陽子=Infostand)