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いよいよ登場へ、Andy Rubin氏の「Essential Phone」

 “Androidの父”Andy Rubin氏がスマートフォン「Essential Phone」を発表して3カ月。ようやく製品投入が具体的になってきた。8月9日、Essential Productsは新たに3億ドルを調達したと発表し、小売での提携も明らかにした。Rubin氏は量産に入ったことをツイートで報告している。“iPhoneキラー”とも言われる新しいAndroidスマートフォンは、飽和状態になりつつあるスマートフォン市場をどう攻めるのか。

Essentialの前にたちこめる暗雲

 Rubin氏が立ち上げたベンチャーEssential Productsは、「21世紀に向けたコンシューマー技術製品をつくる」として今年5月、スマートフォン「Essential Phone(PH-1)」と家庭用アシスタントデバイス「Essential Home」の2製品を発表した。

 PH-1は、ケースにチタン素材を採用し、ベゼル幅を最小にしたスマートなハイエンドスマートフォンだ。背面の磁気コネクタに周辺機器を接続して、機能の拡張やデータ転送ができ、まず360度撮影可能なカメラを提供することが明らかにされている。価格もハイエンドで、Essential Productsのサイトでは699ドルとなっている。Essential Homeは、新しいオープンソースOS、Ambien OSを搭載した家庭用アシスタント端末だ。

 Essentialは発表時、Rubin氏の知名度から脚光を浴び、メディアを賑わせた。一部メディアは当初、PH-1の発売を6月と伝えていたが、その後、具体的な情報はなかなか出てこなかった。

 それどころか、7月末には、同社でUX(ユーザーエクスペリエンス)責任者を務めていたLiron Damir氏が退社し、Googleに移籍したことが明らかになった。Damir氏は、スマートウォッチのPebbleでデザインを担当。その前は、Hewlett-Packard(HP)と韓国のLG Electronicsで「webOS」のクリエイティブディレクターを務めた人物だ。Googleでは、Google HomeグループでUXを担当するという。

 これを報じたSilicon Valley Business Journalによると、6、7月にEssentialから出ていった幹部は3人になるという。6月にはマーケティング担当バイスプレジデントのBrian Wallace氏、それにコミュニケーション担当トップのAndy Fouche氏もEssentialを去っていた。