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ネットワン、品質管理3施設を統合した「品質管理センター」を稼働

出荷前稼働確認を行うエリアを大幅拡大

 ネットワンシステムズ株式会社は、入出荷製品の品質検査施設「品質管理センター」および「品質管理センター別館」と、入出荷保守サービス用部材の品質検査・配送施設「サービス品質センター」の3施設を移転・統合し、新たに1万7000m2の床面積をもつ「品質管理センター」として、1月25日より本格稼働を開始した。これにあわせて、同日に「品質管理センター」の説明会および施設見学会が行われた。

 同社では、従来まで、顧客に届ける製品の品質を担保する「品質管理センター(本館・別館)」と、保守部材の品質担保および迅速な配送を実現する「サービス品質センター」を、それぞれ別の場所で運用していた。「品質管理センター」は1990年に設立され、世界で最も厳しい品質を要求される日本市場に向けて、入出荷製品の検査システムを独自に構築。独自基準で品質検査を行うことで、通常は1~3%の初期不良率を、約0.1%まで低減している。また、情報・物流・在庫を一元管理し、良品と確認した製品のみを顧客に配送してきた。

 一方、「サービス品質センター」は2004年に設立。品質管理センターの品質管理ノウハウを保守サービス用部材に適用し、約5000種類・6万点を超える保守サービス用部材の品質検査を行い、良品と確認された部材のみを準備する。障害発生時には、全国拠点のサービスネットワークを活用し、23時間365日、迅速な部材配送を行っている。

ネットワンシステムズ サービス事業グループ 品質管理本部 本部長の磯﨑洋一氏

 今回、これらの施設を移転・統合するとともに、機能を拡大し、新「品質管理センター」(所在地:東京都大田区東海2-1-2 GLP東京)として稼働開始した。この狙いについて、ネットワンシステムズ サービス事業グループ 品質管理本部 本部長の磯﨑洋一氏は、「2011年に『サービス品質センター』を運営するサービス子会社のネットワークサービスアンドテクノロジーズを吸収合併したが、スタッフや施設は分かれたままだった。そこで、さらなるスピードアップ、品質向上、コスト削減を目的に、施設も統合することにした」と説明している。

 新「品質管理センター」では、旧施設の機能をすべて引き継ぎながら、同一施設内での効率的な作業環境を提供することで、品質と生産性の向上を実現するとともに、重複業務の削減および施設賃貸費用の削減によって、コスト削減効果も見込んでいる。「例えば、入出荷のエリアを、製品と保守部材ともに共通化することで、スムーズな動線で効率的に品質管理作業を進めることが可能となった」(礒﨑氏)という。

移転・統合により作業効率化・品質向上を実現
「プレインストールエリア」を1800m2に拡大

 さらに今回の移転統合にともない、顧客に出荷する製品群を一堂に集めて必要な設定を施し、システムとして稼働確認する「プレインストールエリア」を、移転統合前に比べて約1.5倍の1800m2に拡大した。「プレインストールエリアでは、顧客先での構築作業にともなうシステム停止時間を最低限に抑えるため、製品の組み合わせや設定まで含めて稼働確認を行う。これにより、検査済みで高い品質が担保されていることに加え、納入後すぐに稼働可能なシステムとして提供することができる」(礒﨑氏)としている。

 今後は、メーカー各社やパートナー企業との協力体制を戦略的に強化することで、さらなる機能拡張、および品質・付加価値の向上を図っていく考え。具体的には、ソフトウェアを含めたプレインストール対象製品の拡大、品質検査対象をソフトウェアやシステムまで拡大、システム検証サービスの提供などを計画している。

 説明会に続いて、施設見学会が行われ、新「品質管理センター」の各エリアを内覧することができた。新「品質管理センター」は、GLP東京の5~7Fの3フロアを使用しており、まず5Fが「製品・保守部材受入・検品エリア」、「メーカーへの交換返品(RMA)エリア」となっている。このフロアで、4tトラック2台および10tトラック2台からの荷受けに対応し、受け入れ検品を行う。

出荷する製品群をシステムとして稼働確認する「プレインストールエリア」
受け入れた製品群を保管する製品倉庫エリア

 6Fは、「製品・保守用部材倉庫エリア」と「出荷作業エリア」。特に、製品倉庫エリアでは、600パレットのスペースを確保した大型倉庫を用意している。また、保守用部材倉庫エリアでは、倉庫内に約4万点の部材が保管されているという。

 7Fは、「受入検査エリア」、「出荷検査エリア」、「プレインストールエリア」、「障害検証エリア」となっている。今回、スペースが拡張された「プレインストールエリア」では、出荷する製品群にあらかじめ顧客環境に即した設定を施し、システムとしての稼働確認を行う。また、「障害検証エリア」では、製品単体での検査に加えて、システムレベルでのエラーや障害発生の検証も実施する。

(唐沢 正和)