NEC、金沢大学付属病院の新ネットワークをOpenFlow対応製品で構築


 日本電気株式会社(以下、NEC)は11日、金沢大学附属病院が、NECの次世代ネットワークシステムを導入したと発表した。OpenFlowに対応したコントローラ製品「UNIVERGE PF6800」を2台と、スイッチ「UNIVERGE PF5240」16台を中核として、同病院の新臨床研究棟内ネットワークシステムを構成したという。

 金沢大学附属病院ではこれまで、各部門が必要に応じて個別にネットワークを構築・拡張していたため、ネットワーク全体の構成把握が困難だったほか、新たな医療機器をネットワークに追加するたびに、複雑な設定変更や接続検証などが必要となり、ネットワーク管理に多大な負荷とコストがかかっていたという。

 しかし今回、次世代ネットワーク技術のOpenFlow/SDN(Software Defined Network)に対応したNECのプログラマブルフロー製品を導入することで、大幅な効率化を実現した。具体的には、ネットワークの物理構成と論理構成がGUI上にて可視化され、診療部門や研究部門ごとに構築されていたネットワーク全体の把握が可能になったため、運用負荷が軽減されている。

 また、診療科や研究室などの部門ごとに仮想化したネットワーク(VTN:Virtual Tenant Network)を構築した点も、従来との大きな違い。拡張・変更の際には、物理的なネットワーク構成に手を加えず、仮想ネットワークを構築する際に使用するGUI上での操作を行うだけで済むことから、迅速な対応を実現している。

 さらに、従来は個別のネットワークごとにファイアウォールを設置してセキュリティを確保していたが、新ネットワークでは、ファイアウォールなどのネットワーク機器の共通プール化が行われたため、機器台数やコストの削減が期待できるとした。

 なおこの新ネットワークは、OpenFlow/SDN技術の特長を生かし、約1カ月での迅速なシステム構築が行われたとのこと。

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