NTTコムウェア、省電力・排熱式データセンターの実証設備を開設


 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は19日、建設・運用コストを大幅に削減した省電力・排熱式データセンターの実証試験を開始したと発表した。約1カ月半の実証試験の結果、PUE=1.1以下を達成したという。

 NTTコムウェアではすでに、データセンターサービス「SmartCloud データセンター」を展開しており、2009年にPUE=1.3を達成しているが、今回はさらなるコスト削減とグリーン化を目指し、新たなデータセンターの実証設備を稼働開始した。

 この設備は、既存の建物を有効利用し、需要に応じて柔軟にデータセンターを増設できるように、ファシリティ、電力設備、空調設備、ICT機器を構成単位(PoD: Provisioning On Demand)で設計・構築可能な点が特徴。データセンター化に伴う改修コストを、同社従来比で45%削減した。

 また空調方式は、外気を取り込み、ICT機器で発生する熱を室外に排出する方式を採用し、設備投資の抑制と、消費電力の20%削減を実現した。さらに、高温度対応のICT機器を採用しているため、外気温が高い場合でも冷房装置を不要にしているという。加えて、AC/DC変換による電力損失を極力減らした方式を用いることで、現段階でPUE=1.1以下を達成した。

 なお今後は、一年を通じた運用環境での検証を行うとともに、クラウドサービス「SmartCloud」のさらなるサービス向上に向け、電力・排熱式データセンターでのICTインフラコストの削減、データセンターのグリーン化に継続的に取り組むとしている。


省電力・排熱式データセンターの外気空調モデル
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(石井 一志)
2011/12/20 06:00