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NTT-ATなど5社、北海道など9自治体が参加した共同利用型RPAの実証実験について報告書を発表

RPAにより職員の作業を最大9割低減

 NTTアドバンステクノロジ株式会社(以下、NTT-AT)と、株式会社HARP、アライズイノベーション株式会社(以下、アライズ)、株式会社HBA、東日本電信電話株式会社北海道事業部(以下、NTT東日本)の5社は23日、北海道と道内8市町村が参加し、共同利用型RPAとAI-OCRを用いた業務効率化の可能性に関する実証実験の報告書をとりまとめ、公表した。

 実証実験は、人口減少などにより労働力不足が懸念される自治体の課題に対して、RPAとAI-OCRを用いた業務効率化の可能性を検証したもの。北海道をはじめ道内の9自治体(北海道、函館市、滝川市、富良野市、登別市、音更町、釧路町、弟子屈町、占冠村)が参加。実験期間は2018年10月~2019年3月。

 多くの自治体が共通的に実施し、多くの労力を要している定型的な業務を標準化・共通化して、RPAに自動処理させる仕組みを共同利用型で構築。また、多くの行政サービスで利用されている帳票や申請書などの紙書類を読み取り、機械識別可能なテキストデータに変換するAI-OCRを、RPAの前処理として活用する実験を合わせて実施し、その識字率や課題などを検証した。

 具体的には、「単価契約の変更契約業務」「ワンストップ特例申請の省力化」「給与支払報告書の入力支援」「要介護認定申請の入力支援」といった対象業務(シナリオ)について、自治体で大量に扱われている紙からデータに変換する処理をアライズのAI-OCR製品「AIRead」で実施するとともに、自動処理をNTT-ATが提供する「WinActor Cast on Call」で行い、自治体業務の変革につなげる取り組みと位置付けた。

 報告書では導入の主な効果について、シナリオによって異なるが、RPAにより職員の作業を最大9割低減できることが検証できたと説明。また、動作環境を踏まえた業務フローの見直し、共同利用を考慮した様式の標準化、他システムとの接続を考慮した出力、OCRの識字率を踏まえた最終確認作業、利用者を意識した操作性などに関する課題を抽出できたとしている。

 NTT-ATなどでは、これらの結果をサービス開発の材料として、自治体における業務改善、効率化の支援を検討していくとしている。