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国内データセンター向けネットワーク機器市場は低成長時代へ――、IDC Japan調査・予測

2016年~2021年の年間平均成長率は1.3%と予測

 IDC Japan株式会社は11日、国内データセンター向けネットワーク機器市場の、2016年の実績と予測を発表した。それによると同市場は、2016年~2021年の年間平均成長率(CAGR)が1.3%にとどまると予測されており、低成長時代に突入していることが明らかになったという。

 製品分野別で見ても、いずれも大きな成長は見込みにくいとのこと。もっとも市場規模が大きいのはデータセンター向けイーサネットスイッチ市場だが、2016年~2021年のCAGRは2.4%で、高成長だった以前と比べ成長は鈍化している。企業ITシステムのクラウドシフトの動きを背景に、パブリッククラウドやプライベートクラウド向けが市場をけん引するものの、クラウド以外の需要減少が成長を抑制する原因になっていると、IDC Japanでは分析した。

 またADC(Application Delivery Controller)市場についても、2016年~2021年のCAGRは0.8%と低い成長率が予測されている。これは、クラウドシフトの影響がADC市場にも表れ、クラウドサービスとして提供されるADCaaS(ADC as a Service)への需要移行が大きく影響していると、IDC Japanは指摘している。

 なおベンダー別では、シスコシステムズが高いシェアを維持。F5ネットワークスも、ADC市場でリーダーの地位を保っているという。また、エクストリームネットワークスに統合されたブロケード、アリスタネットワークスが、2016年の国内データセンター向けイーサネットスイッチ市場でシェアの拡大に成功しているとのことだ。

 IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は、「データセンター向けネットワーク機器ベンダーは、クラウドシフトやSDN化の強い流れにあらがうのではなく、クラウドに適した製品やSDN環境下で制御しやすい製品に製品戦略の重心を移すのが得策」と指摘している。

データセンター向けイーサネットスイッチ、ADC、WAN最適化の合計値。折れ線は前年比成長率(出典:IDC Japan)