EMC Worldから見える戦略　Dellとの統合に向け歩を進めるEMC

PivotalにFordらが出資

　Dell Technologiesへ向けて、幸先の良い話も出てきた。EMC World終了翌日の6日、EMCとVMwareが立ち上げたPaaS事業のPivotalに、自動車のFord、そしてMicrosoftが出資することが発表された。Fordの投資額は1億8220万ドルで、株式の約6.6％に相当する。Pivotalは合わせて2億5300万ドルの資金を調達する。

　DellとEMCにしてみれば、買収取引前にキャッシュを作ることができるメリットがある。Pivotalは将来的にIPOを行う計画で、Bloombergは、現在約半分を占める収益性の低いサービス事業からソフトウェア事業へのシフトがうまくいった後、市況をみながら株式公開を実行するだろうと予想する。

　史上最大の買収に向けて準備を進めるDellとEMCだが、アナリストの反応は買収発表時よりも良くなっているようだ。SiliconANGLEは、3人のアナリストの声を集めながら、「一部のアナリストが予言したほど型にはまった悪いものではなさそうだ」とまとめている。ただ一方で、成長エンジンである分散ストレージソフト「ScaleIO」などについては、「合併後の企業はオーガニックなイノベーションを起こせないかもしれない」との危惧も述べている。