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ニフティクラウドのサービス基盤にVMware NSX導入、トラブル時の作業工数を以前の1/5以下に

 株式会社ネットワールドは30日、同社の提供するVMwareのネットワーク仮想化ソリューション「VMware NSX」が、ニフティ株式会社の「ニフティクラウド」のサービス基盤に導入されたと発表した。

 ニフティでは、運用管理の自動化・効率化を追求するためにはSoftware Defined技術の活用が不可欠と考え、数年前からさまざまな製品を活用してきた。その中で、仮想ファイアウォール機能も実装したものの、運用面で少なからず課題があったという。

 また同時期に、VMwareの「ネットワークデザインパートナー」に選定され、VMware NSX(当時の名称はvCNS:VMware vCloud Networking and Security)の開発に参画。VMwareに対してさまざまな要望を行うと同時に、他社のSDN製品を含めて、仮想ファイアウォール機能を実現するソリューションを検討していた。

 その結果、仮想ファイアウォール機能が提供可能なだけでなく、API連携をはじめとする運用効率性が高い点、柔軟なスケーラビリティがあり、ハイパーバイザーに近い部分でフィルタリングを行うアーキテクチャにより、物理ネットワーク機器と比べても遜色のないパフォーマンスを発揮できる点などから、VMware NSXを選定している。

 ニフティでは、2015年からニフティクラウド基盤へのVMware NSX導入に着手。新規構築する環境から段階的に適用を開始し、2016年度中には既存環境の移行も完了する予定だ。また、先ごろ提供を開始した「ニフティクラウド DRサービス with VMware vCloud Air Technology」にも活用されているとのこと。

 VMware NSXの導入により、物理機器の存在を意識することなく一括で操作・設定できることから、運用業務の効率化やコスト削減にも大きな効果を発揮しているとのこと。また、サービス基盤の運用効率性を高めるために取り組んでいる、ネットワークのオーバーレイ/アンダーレイ化構想の推進が加速されるとした。

 さらに、日常的な運用業務にも効果を発揮している。例えば、顧客の通信に問題が見受けられた場合、従来はネットワーク、サーバー、ストレージの各担当者が総出で、物理/仮想の両面からトラブルシューティングを行う必要があったが、Vmware NSXやvSphereの新機能を利用すると、原因の切り分けや特定が迅速に行え、作業工数は以前の1/5以下に削減されたとしている。

石井 一志