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内田洋行、スマートペン「Neo Smartpen N2」を文教市場へ

手書きをデジタル化。紙とタブレットの相互利用を加速

 株式会社内田洋行は3日、タブレット端末を活用する授業向けに、世界最細・最軽量スマートペン「Neo Smartpen N2」と授業支援アプリ「N School Note」の取り扱いを開始し、7月20日から販売すると発表した。

 韓国NeoLAB Convergence Inc.とその日本法人・NeoLAB株式会社が開発した製品。「Neo smartpen N2」は、ノートと同じように紙に書いたものを即時にデジタル化してタブレット端末などに表示できるスマートペン。一般的なペンと変わらないサイズで、専用コードが埋め込まれたA4サイズのプリント用紙に書いた文章や数式をデジタル化できるため、タブレット上の筆記内容を電子黒板に掲示して、授業での発表を円滑に進められる。

 ワークシートプリントソフト「N Docu Direct」(専用)プリントツールから印刷すると、一般の印刷用紙に専用コードが埋め込まれ、「Neo Smartpen N2」で使用できる紙を作成できる。例えば、今まで授業で使ってきたワークシートなどのPDFデータを「N Docu Direct」を使って印刷すると、即座に「Neo Smartpen N2」で使用できるワークシートになるという。

 スマートペンについては、筑波大学附属小学校「未来の教室」のタブレット端末環境にて実証研究を行っている。情報端末と紙での手書き入力を合わせて活用することの、児童・生徒の思考力や発想力への影響などを検証する予定とのこと。

 さらにNeoLABと内田洋行で共同開発したアプリ「N School Note」を併用することで、さらに1人1台端末に適した活用が行える。

 例えば、ワンタッチリプレイ機能によって書いた順番(軌跡)が確認可能。漢字や数式に利用すれば、生徒・児童が結論に至るまでに考えた過程が可視化され、指導者との間で解答の導き方や思考プロセスを共有できるという。

 また「Neo Smartpen N2」単独で書いた情報は、「N School Note」が起動していなくても同期させることが可能。例えば、タブレットを自宅に持ち帰らずとも宿題の専用コードが埋め込まれた紙のワークシートを家に持ち帰り、「Neo smartpen N2」で解けば、家庭で自習したものが学校タブレットで再現できる。

 「N School Note」の録画機能を利用すれば、テストの解説など、先生が説明する解答の音声もそのまま書いた文字や図と一緒に収録し、動画として書き出せる。映像教材の作成が容易となり、授業後の個別学習の参考として児童・生徒に閲覧しながら自習を行うといったことも可能になる。

 内田洋行は、政府の「フューチャースクール推進事業」や荒川区をはじめとした全国での先進事例から、ICTを活用した授業の課題抽出に取り組んできた。その中で、タブレット端末をノートとして活用するには画面サイズが小さく、従来のノートのように多くの数式や長文を記入するのが困難であることが分かった。こうした経緯から、NeoLABと国内における独占販売契約を締結。小中高の授業での1人1台タブレット端末活用のツールとして、7月20日から文教市場向けに販売を開始する。参考価格は、スマートペン40本導入の場合、ワークシートプリントソフトが付属して100万円。同社は2015年度に40校への導入をめざす。

川島 弘之