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リコーが「QlikView」採用、世界200カ国の事業を俯瞰

 株式会社リコーが、世界200カ国に展開する事業を俯瞰するグローバルダッシュボードに連想型BIツール「QlikView」を採用した。販売代理店の株式会社アシストが27日、発表した

 リコーでは、事業構造変革を支える情報インフラとして、変化に応じてさまざまな視点から情報を可視化し、PDCAを回せる分析環境を求めていた。この分析環境を実現するBIプラットフォームとしてQlikViewを採用。日本、米国、欧州、アジア太平洋・中国の4極体制の下、世界約200カ国で展開する全事業の経営状況を可視化する「リコーマネジメントダッシュボード(RMD)」の構築を開始した。

 これまでリコーのITを支えてきたIT/S本部は経営革新本部として再編され、新たに加わる新規事業の創出・成長というミッションの達成に向けて、RMDを活用。経営革新を加速化するBIプラットフォームとして、2014年5月に300名での利用が開始された。

 QlikViewは、各極・事業部門でバランス・スコアカードのKPIを可視化し、共通のデータや数字を基にしたマネジメントを実現するほか、デジタル複合機などの回収機の在庫を可視化し、環境保全に向けたリサイクルシステムの運営と再資源化率の向上に役立てられる。ユーザビリティの高さ、インメモリ技術によるレスポンスの速さなどもQlikViewの選定理由となった。

 実際の導入効果として、ダッシュボードのレポート作成工数を削減できたほか、ユーザーの気づきを生み出し、思考を深めるためのインプットが期待できると評価。また、ダッシュボードだけでなく、データを起点に分析を繰り返して意志決定していく文化を社内に熟成させるため、「データコンシェルジュ」という社内向けサービスを立ち上げ、分析アプリ構築のアドバイスといったデータ分析による業務課題解決を推進する体制も整えているという。

 2015年4月現在、QlikView利用者は800名強に増加。今後は世界で2000名規模まで拡大させる構想という。

 アシストは、リコーの中期経営計画に沿った導入計画策定などの上流工程から、ダッシュボード構築・運用に至るまでの包括的な技術支援、実稼働後のサポートなど、QlikViewのグローバル展開を全面的に支援している。

川島 弘之