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カブドットコム証券、Oracle DatabaseでDB基盤を刷新
RAC構成で性能や可用性を大幅に向上
(2015/4/17 11:35)
日本オラクル株式会社と株式会社アシストは16日、カブドットコム証券株式会社が、新発注基盤システム「RAIDEN(ライデン)」のデータベース基盤としてOracle Databaseを採用したと発表した。2014年11月4日より本格稼働を開始している。
完全システム内製化(自社開発・運用)を行っているカブドットコム証券では、アベノミクスの影響による株式市場の活性化の影響で、新規口座開設数、約定件数などが前年比の倍以上に増加し、従来の他社製データベースでは発注システムの処理性能に課題が生じてきたことや、2015年に東京証券取引所で高速システム「アローヘッド2」が導入予定となっていることを受け、さらなる高速性や安定稼働を追求するためにシステムの刷新を決断。2013年5月より新発注基盤構築プロジェクトを立ち上げた。
その中で、システムの中核となるデータベースに関しては、フロントシステム、発注システム、勘定システムの3つのシステムを連携させていた従来の方式から、これらを1つに統合する方式に変更し、データベースクラスタ技術「Oracle Real Application Clusters(RAC)」による複数サーバー構成でOracle Databaseを導入した。
採用のポイントとしては、以下の3点が評価された。
1)Oracle RACはスケールアウト、スケールアップに対応でき、事業の成長に合わせて拡張していけること
2)Oracle RACによる複数サーバー構成により、システム全体の処理能力を拡張可能な点に加え、障害発生時にはフェイルオーバー時間を極小化し処理を継続できるため、可用性が向上すること
3)Oracle Databaseの取り扱い実績が25年以上のアシスト、およびアシストが提供するプロダクトサポートサービスへの信頼感があったこと
さらに、プロジェクト発足から約1年半かけて構築された新発注基盤システムのRAIDENでは、Oracle RACの採用と合わせ、プログラムリプレースを含めたシステム全体の最適化を図ったとのこと。システムは2014年10月14日より段階的に稼働を開始し、11月4日からは本格稼働がスタートしているが、トラブルもなく、処理性能が約10倍向上するなど、大幅な改善が確認されたとしている。
また基盤の構築は完了したが、2015年以降は、顧客がより直感的に操作できるよう、画面の刷新に着手していく予定だ。
なおカブドットコム証券では、ネット証券としての基本サービス機能の外部提供を視野に入れてRAIDENを設計しているので、三菱東京UFJ銀行をはじめとする証券仲介やじぶん銀行などのASP形式での外部システム提供実績をもとに、自社が属する三菱UFJフィナンシャル・グループ内外の証券会社をはじめ、各金融機関などへの提供も検討しているとのこと。