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変化する企業のIT環境に包括的な保護を提供、トレンドマイクロが法人向け事業戦略を発表

 トレンドマイクロ株式会社は25日、2015年の法人向け事業戦略に関する説明会を開催した。代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏は、「サイバー攻撃(Cyber Threats)」「コンシューマライゼーション(Consumerization)」「クラウドと仮想化(Cloud & Virtualization)」の3分野を、企業をとりまく環境変化が激しい“3つのC”として、それぞれの分野に対するソリューションを展開していくと語った。

エバ・チェン氏

 トレンドマイクロの世界全体での売上割合は、2014年には35%が個人向け、65%が企業向けで、特に中堅・大企業向けが成長したという。

 一方で、昨今の企業を取り巻く環境としては、個人向けのネットサービスやデバイスなどを企業が後追い的に取り入れるコンシューマライゼーションの流れが加速しており、クラウドと仮想化の導入もさらに進んでいると説明。また、サイバー攻撃もさらに巧妙化・悪質化しており、トレンドマイクロの法人向け戦略としても、これらの分野に対する保護を提供していくとした。

「サイバー攻撃」「コンシューマライゼーション」「クラウド&仮想化」の3分野にソリューションを提供

 サイバー攻撃への対策としては、「カスタムディフェンス(Custom Defence)」を提供していくと説明。企業の規模や業種を問わず、あらゆる企業が標的型攻撃のターゲットとされている現状に対し、脅威の根本原因を特定し、自社内でカスタムシグネチャを自動生成するソリューションを提供していくとした。

 具体的な製品としては、「Deep Discovery」シリーズが自動生成する個々の企業にカスタマイズした対処策を、統合管理ツール「Trend Micro Control Manager(TMCM)」との連携により、企業内端末に配信する。また、自治体向けのマイナンバー対策として、「Trend Microマイナンバー向けサンドボックス」を6月から提供することも発表した。

サイバー攻撃への対策

 コンシューマライゼーションへの対策としては、より幅広い環境や新たなプラットフォームへの対応を行う「ユーザー保護の徹底(Complete User Protection)」を提供していくと説明。具体的な製品としては、Office 365向けのセキュリティ製品「Trend Micro Cloud App Security(仮称)」を新たに投入することや、クラウド型セキュリティサービス「Trend Micro Security as a Service」のラインナップ拡充などを発表した。

 Office 365向けのセキュリティ製品については、どのように動作するのかのデモも披露。企業向けOffice 365製品に対応した製品で、ユーザーがOneDriveにファイルをアップロードすると即座にスキャンされ、問題のあるファイルであれば削除するとともに、ユーザーや管理者に通知を行う。こうした製品により、クラウド上にあることでセキュリティの保護下から外れるといったことがなくなるとした。

コンシューマライゼーションへの対策
Office 365向けのセキュリティ製品「Trend Micro Cloud App Security(仮称)」についてはデモも披露
問題を検出したファイルは自動的に削除し、ユーザーや管理者への通知も行う

 クラウドと仮想化向けの対策としては、「クラウド&データセンターセキュリティ(Cloud & DataCenter Security)」として、新たな技術や環境への対応を迅速に行っていくと説明。Deep Securityでは、VMwareの新しい仮想環境である「vSphere6」への対応や、Microsoft Azureとの連携強化を進めていく。また、販売パートナーとの協業や、「TREND MICRO Cloud Integrator」コンソーシアム加盟のパートナー各社への支援の強化など、パートナーとの販売施策を強化していくとした。

クラウドと仮想化向けの対策

三柳 英樹