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「規模の経済性」で学校ICT促進へ、Windows クラスルーム協議会の次の一手
(2014/10/28 15:27)
日本の初等・中等教育の普通教室におけるICT導入・利活用を促進する、61社で構成された「Windowsクラスルーム協議会」は27日、民間企業と教育委員会の新しい協働施策「Windowsクラスルーム 圏域包括プログラム(以下、圏域包括プログラム)」を発表した。
同協議会では、2013年5月の発足以来、子供たちの21世紀型スキル育成のための教育環境の実現を支援。児童生徒一人一台の情報端末を普及させるため、OS、PC・タブレット、デジタル教科書・教材、ソリューション提供企業などが業界の枠を超えて連携し、教育現場でのWindowsプラットフォーム展開を推進し、学校教育でのICT利活用の加速と定着に取り組んできた。
そうした中、文部科学省が8月29日に公開した「ICTを活用した教育の推進に関する懇談会」報告書(中間まとめ)に記されたICT教育環境の整備における具体的な方策を受けて、「圏域包括プログラム」を発表した。
文科省の中間まとめでは、第5章において、地方公共団体におけるICT教育現場の整備は、先導的な教育委員会の取り組みを参考にしながら、(1)計画的・段階的な整備の推進、(2)整備コストの低減に向けた取り組み、(3)デジタル教科書・教材の流通促進、(4)利便性の高いネットワーク構築のあり方などの検討について、それぞれ指針が公開されている。
一方、協議会の参加企業は、荒川区教育委員会、草津市教育委員会、堺市教育委員会、佐賀県教育委員会、姫路市教育委員会、和歌山市教育委員会などの大規模整備事業つぉいて、数千台におよぶICT機器の運用管理方法やネットワーク整備・構築方法に関する知見を蓄積している。
圏域包括プログラムでは、これらの知見の共有と整備計画を「複数教育委員会がまとまって行う」ことで、規模の経済性を発揮できる枠組みを提供するという。
具体的な内容は、(1)ICT環境整備におけるノウハウなどの教育委員会への提供(教育ICTの利活用における知見の提供)。今後、各教育委員会にて本格的にタブレットが整備されていくにあっって、小規模自治体においてもその環境構築について学校現場ならではの高度なノウハウが必要となるため、その知見を情報提供する。
(2)ICT機器などの特別価格/製品での提供(圏域包括メニューの提供)。単一教育委員会が単独でICT環境を整備すると、コストが高くつく場合がある。そこで同一地域(都道府県)で、同種の教育ICT環境整備を計画する複数教育委員会が取りまとめることにより、規模の経済性を発揮できる特別メニューを提供する。
特別メニューによる特別価格/製品などの内容は提供企業により異なるが、そのコスト圧縮効果は年間250億円規模と試算している。
(3)シンポジウムなどの開催(文科省やICT教育の推進自治体とシンポジウムなどを開催)。ICT教育を推進する意義や、全国で行われているICT教育に関する好事例を広く紹介・共有するために、都道府県や自治体向けのシンポジウムなどを全国で随時開催する。