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クラウドベースのテスト環境やAPMを手がける米SOASTAが日本上陸

 クラウド上でアプリケーションテスト環境を提供する米SOASTAが、アジア展開の一環として日本法人・SOASTA International(以下、SOASTA Japan)を設立し、本格的に事業を開始した。

 SOASTA Japanは、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドン、ムンバイ、上海に続く6番目の拠点となる。

 同社のサービスは、アプリテスト環境をクラウドサービスとして提供している。負荷テスト・性能テストサービス「SOASTA CloudTest」、モバイルアプリ・サイトの機能テストサービス「SOASTA TouchTest」、Webサイトのパフォーマンス分析サービス「SOASTA mPulse」で構成される。600社以上のグローバル機能で採用されており、ソチオリンピック2014の公式Webサイトでも利用された実績がある。

 SOASTA CloudTestでは、AWS、RackSpace、GoGrid、HP Cloud、Azureへの自動配備をサポートし、クラウドをグリッド利用することで世界中の任意のロケーションから、数万~数百万ユーザーという実ビジネスレベルのスケールで負荷・性能テストが行える。

各クラウドでグリッド環境を構築

 テスト結果はダッシュボード上にリアルタイムに表示され、複数のメトリックスを重ね合わせた相関分析やエラー解析が可能。テストシナリオをビジュアルなテスト構成ツールでドラッグ&ドロップで簡単に作成できるのも強みだ。現在、Google、Dimension Data、IBM SoftLayerへの自動配備対応も進めている。

CloudTest画面
テスト結果画面

 SOASTA TouchTestでは、モバイル向けのアプリやWebサイトを対象に、各機能が正しく動くか、画面遷移が問題なく行えるかなどを調べる機能テストが行える。開発サイクルの短いモバイル環境に対応するため、継続的な自動モバイルテストを実現し、テストの時間の大幅短縮に貢献するという。

 対象アプリにTouchTestライブラリを組み込むことで、オブジェクトレベルで機能を認識・テスト実行でき、スクリーンショットベースのOCR検証だけでなく、UI上のエレメントをクラス名やラベルを使って識別し、テストを作成できる。テストはキャリアネットワークに接続する実機を使って、ロケーションを選ばず、複数の端末から再生できる。SOASTA CloudTestと同一プラットフォームで動作し、負荷テストと機能テストを複合的に行うことも可能という。

 SOASTA mPulseでは、いわゆるアプリケーションパフォーマンス管理(APM)分野のサービス。疑似・サンプリングではなく全ユーザーのリアルな性能をモニターできる。性能とビジネスコンバージョン率の相関や、デバイスや地域性によるパフォーマンスのビジネスインパクトも可視化することが可能という。

mPulseダッシュボード

 国内では、バーチャルコミュニケーションズ株式会社をはじめ、ソリューションパートナーを通じて製品を提供。国内のリテール企業、サービスプロバイダ、通信サービス企業などを中心に今後2年間で30~40システム程度の販売を目指す。

川島 弘之