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「地球1個分で暮らすために」を考える――富士通、小中学校の環境教育を支援

講師・電子教材・タブレットを提供

 富士通株式会社は、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(以下、WWFジャパン)と、環境教育用の電子教材「地球1個分で暮らすために-エコロジカル・フットプリントから考える-」を共同開発し、4月より全国の小学校で本教材を活用した環境教育の出前授業を開始した。

 現在の私たちの生活は地球に与える負荷が大きく、地球1個分の資源では足りない状況にあるといわれる。WWFジャパンはこの課題を認識し、ライフスタイルの転換を促すための「エコロジカル・フットプリント(私たちの生活がどれだけ地球環境に負荷を与えているかを表す指標。現在は地球1.5個分の資源が必要とされるまで負荷が大きくなっている)」の普及啓発に努めてきた。一方富士通は、2006年より全国の小中学校などで環境教育の出前授業を展開しており、これまで約400団体、2万2000人以上(2014年3月末現在)を対象に実施している。

 今回、両社が連携し、タブレット端末を使った授業を進めることで、子供たちへの環境教育を促進するとともに、総務省が進める学校教育現場の電子化事業(フューチャースクール推進事業)の普及にも貢献するとしている。

 授業では、地球資源と私たちの暮らしとの関わりを再認識し、地球1個分で暮らすためにはどうすればよいのかを考える。生徒一人一人がデジタル教材を活用したタブレット端末を使用し、講師用PCと通信しながら進めることで、「すべての生徒の意見を確認・共有」「さまざまな意見のグルーピングやディスカッションの促進」「テストの得点や問題ごとの正解率を把握した上での適切な指導」といった効果を狙う。

タブレットPCで問題に答えながら授業が進む。PCには文字や絵を描くことも

 対象は、小学校4~6年生、中学生。1時限(45分)または2時限(90分)とし、富士通社員が講師を務める。費用は無償。タブレット端末などの機材も富士通が準備する。

 1回目の授業は、2014年4月に町田市立本町田東小学校・5年生のクラスで実施した。今後、富士通の環境出前授業のプログラムの1つとして、ほかのプログラムも含め年間100団体、5000人を目標に全国の小中学校で展開し、地球環境問題の解決に向けた普及啓発に取り組んでいく。

川島 弘之