ヤマト、画像認識技術を活用した検品支援システムを構築

　ヤマトホールディングス傘下のヤマトシステム開発株式会社（以下、YSD）は4日、日本電気株式会社（以下、NEC）の画像認識技術を活用した検品支援システムを開発し、4月より物流アウトソーシング事業にて本格運用を開始したと発表した。2014年度中に外販も始める。

　YSDの物流アウトソーシング事業では、商品識別情報（バーコードなど）が付いていないパンフレットやマニュアルなどを大量に取り扱っており、出荷品質維持のため、人目におる目視作業、類似品が多いがための誤認識を防ぐ多重チェックなど、出荷前の検品作業に多くの時間をかけていた。

　同業務を画像認識技術を活用した検品支援システムで効率化する。同システムは、作業台に設置したカメラで捉えた商品の画像と、あらかじめ登録した商品の画像情報を照合することで、商品の品目を特定。同時に作業台に設置した重量計で計測した商品の重量と、あらかじめ登録した商品の重量情報を照合することで、商品の数量を特定する。NEC独自の画像認識技術により、画像の一部の隠れ・はみ出し・反射・傾斜・湾曲も検出可能という。

システム概要

　同システムをヤマトグループの総合物流ターミナル「羽田クロノゲート」内にあるYSDの相互で出荷検品業務を行うラインに導入。顧客から出荷指示を受けた商品を作業員が準備し、同システムで検品することで、類似品の誤認識による出荷ミスの防止と、目視で行っていた検品時間の短縮を図る。

　また、YSDのクラウド型倉庫管理システム（WMS）『倉庫「見える化」＠web』や顧客が持つWMSと、検品支援システムの商品マスタや出荷指示データ、検品実績データを連携させることで、物流業務全体コストの約3割を削減するという。

　現在は平面図の検品に活用しているが、立体物の検品も検討。今後、YSDのすべての「物流アウトソーシングサービス」の拠点やヤマトグループへの展開を進めるとともに、2014年度中をめどにNECと連携して各種業界への外販も開始するとしている。