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家で基礎予習、学校で応用――北海道の私立中学が「反転授業」開始

オンライン学習教材「すらら」を活用

 北星学園女子中学高等学校が道内の私立学校では初となる「反転授業」を12月10日より開始する。導入しているオンライン学習教材「すらら」の提供元である株式会社すららネットが3日、発表した。

 「反転授業」とは、教室で一律講義していた学習内容をオンライン学習教材などを用いて自宅で予習し、教室では個人の理解度に合わせた応用問題や協働学習を行う形態の授業方式。これにより、自分のペースで予習でき、理解に至らなかった点は授業の際に聞き直しが可能になることに加え、授業で行う問題演習も個人の苦手部分や実力を考慮した応用問題を個別に出せるようになる。さらにグループ討議など、今まで時間を割けなかった事柄を取り入れられる効果的な学習法として、昨今、注目を集めている。

 反転授業は同学校の中学3年生の1クラスで実施する。家庭(または放課後の情報室)でオンライン学習教材「すらら」を利用して教科書を予習。授業の始めに予習時の疑問点の確認、追加説明を行う。さらに授業内で、通常宿題で行っている応用問題などへの取り組みや、グループ討議・発表といった学び合いを行う。

 今回の経緯について同学校では、「本校では進路目的別にクラス編成をしているが、その中でもっと多くを学びたい生徒がいるなど、一斉授業の難易度設定が難しくなってきた。そこで反転授業を行うことで、それぞれの生徒のモチベーションを向上させ、学習量も増やせると考えた。また、グループ討議・発表や学び合いの時間を今以上に取ることができると考えている」とコメントしている。

 初回は12月10日に実施する予定。生徒数は24名。

オンライン学習教材「すらら」

 「すらら」は小学校高学年~高校3年生までの学習指導要領に準拠したオンライン学習教材。英語・数学・国語に対応する。

 1つの単元につき10~15分程度で小さな階段を少しずつ上るような構成で、飽きずに学習できるよう、随所で先生役のキャラクタが問いかけし、問題に答えていくような双方向性も備える。

 一人一人の理解度に応じて問題の難易度を調整する「出題難易度コントロールシステム」や、何が分からないから問題が解けないかの理由を探る「弱点自動判別システム」も特徴。現役塾講師による「週1回程度の電話やメールでの進ちょく確認」といったフォロー機能も備える。

川島 弘之