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NTTデータグループ2社、Twitter投稿を解析する「Voicepaniel」~商品開発や販売促進に貢献

 株式会社NTTデータ経営研究所とNTTデータ先端技術株式会社は7日、Twitter投稿情報解析システム「Voicepaniel(ボイスパニエル)」を構築し、分析レポート作成サービスを開始した。

 「Voicepaniel」は、PR目的のツイートを除去する技術や、業種別テンプレートなどによりツイートをカテゴライズすることにより、ツイートの分析結果を効率的に商品開発や販売促進などに役立てることができるサービス。

 機械学習技術を利用したPRツイート除去技術により、機械的に投稿されたツイートかどうかを自動判定し、PR目的のツイートを除去。業種別テンプレートや業種独特の言い回しに関する判定ロジックにより、あらかじめ業種別に作成された辞書に基づいてツイートを検索し、ツイートを分類することでレポート作成者を支援する。また、マーケティング枠組みテンプレートにより、マーケティングに関連する表現の辞書に基づいてツイートを検索・分類することで、レポート作成者を支援する。

 これらの技術により、キーワード検索分析においては、ビジネス的な意味の高いSNS投稿情報が抽出でき、業界特性の反映・マーケティング枠組みの活用により、ビジネス的示唆が得やすくなる。また、ツイート内容のネガポジ分析においては、絞り込んだSNS投稿情報のなかから、業種独特言い回し判定ロジック・マーケティング枠組みの活用により、ネガポジ分析結果が実態と合いやすくなり、示唆が得やすくなるなどの効果があるという。

 分析により、例えば飲食品の場合であれば、顧客購買プロセス(気付き、比較検討、購買時、購買後の利用)における顧客の心理的状況が把握でき、企業のマーケティング業務の改善に役立てることが可能。さらに、つぶやかれる内容からユーザーの属性情報(男女、職業、既婚・未婚、年代、地域)を推定することで、特定のユーザー層別での分析や、時系列、競合製品別での分析が可能としている。

 また、今後は収集されたSNS投稿情報から、統計的手法による辞書の自動構築や人手による拡充を行うなど、新しい機械学習アルゴリズムおよびテキストマイニング技術を導入することで、さらなる精度向上を目指すという。

 「Voicepaniel」では、こうした分析処理をApache Hadoop上で分散して処理するため、大量のSNS投稿情報が入力された場合にも、サーバー台数を増やすだけで高速な分析が可能。また、分析結果をApache Solr検索エンジンに格納することで、結果の付与されたSNS投稿情報をフリーワードで即時に絞り込み、検索できるなどの柔軟性を保持している。

 今後はさらにこの技術を活用し、企業におけるソーシャルメディアマーケティングの効率化・高度化を図るソーシャルCRM(Customer Relationship Management)システムへの適用や、企業内の既存顧客データがベースとなっている既存CRMシステムとソーシャルCRMシステムを統合する統合CRMシステム構築へ向けた展開を予定している。

三柳 英樹