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サイゼリヤ、基幹系の運用基盤にクレオのクラウドサービス「ZeeM on Cloud」を導入

コストを維持したままでシステム運用レベルを向上

 株式会社クレオマーケティングと株式会社クレオネットワークスは2日、株式会社サイゼリヤが、基幹系システムの運用基盤として、クレオマーケティングのクラウドシステム運用サービス「ZeeM on Cloud」を導入したと発表した。

 「ZeeM on Cloud」は、クレオネットワークスが提供する仮想プライベートクラウド「N-CLOUD バーチャルDC」をベースに、クレオマーケティングの基幹系システムパッケージ「ZeeM会計」「ZeeM人事給与」などのシステム運用サービスを組み合わせたサービスである。

 イタリアンレストランチェーンを展開するサイゼリヤでは、従来、自社が契約するデータセンターで複数の基幹系システムを運用してきたが、システムごとに運用ベンダーが異なるのに加え、一部システムでは自社の情報システム部門が運用を担当していた。特に自社運用システムでは、トラブルが発生するたびにデータセンターまで出向く必要があり、大きな負担になっていたほか、ソフトウェア配布やパッチ適用に手間がかかる点や、事業継続性の確保なども課題になっていた。

 そこで同社では、ハードウェアの保守切れを機にシステム運用体制の改革を検討。クラウド環境についても検討したものの、パブリッククラウドでは自社の状況に合わせられない一方で、サイゼリヤの事業規模でプライベートクラウドを構築するには費用がかかりすぎる点が悩みだったという。

 しかし、同社に対して15年以上にわたり、会計システムと人事給与システムを提供してきたクレオマーケティングの「ZeeM on Cloud」を選択することで、システム運用のコストを大幅に削減し、コストを維持したまま、システム運用レベルを向上できたとのこと。特に、専用回線の引きこみによるデータセンター間の直接接続でネットワークコストを低減できたという。さらに、沖縄データセンターへのリモートバックアップの仕組みを構築し、事業継続性の向上も同時に実現した。

 これによってサイゼリヤは、情報システム部門が本来業務であるシステム企画に集中できる環境を整備できたとしており、今後は、データリストア方式の確立やシステムの二重化などにより、さらなる事業継続性の向上を図る考えだ。

石井 一志