2017年のICT市場は24兆6783億円、国内IT/ICT市場はほぼ横ばいで推移～IDC Japan予測

国内製品別IT市場実績と予測・2012年～2017年（出典：IDC Japan）

　IDC Japan株式会社は22日、2012年第4四半期（10～12月）の実績や最新の景気動向などを踏まえて、2013年～2017年の国内製品別IT市場予測を発表した。

　それによると、2013年の国内IT市場規模は前年比0.1％減の13兆8771億円と予測された。内訳としては、国内ハードウェア市場が前年比3.1％減の6兆3442億円、国内ITサービス市場が同1.9％増の5兆309億円、国内パッケージソフトウェア市場が同3.7％増の2兆5020億円との予測。また国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた国内ICT市場は、前年比0.7％増の25兆3719億円と見込まれた。

　2013年の国内IT市場規模がほぼ横ばいになっている背景には、2012年の比較的高い成長率の反動、2012年のIT市場成長をけん引していたスマートフォンブームの一巡と成長鈍化、ハードウェア市場のマイナス成長、外需低迷などが挙げられている。また、昨今のアベノミクスによる経済活性化政策がIT/ICTの両市場に波及し効果として顕在化するには、少し時間を要する見込みとのこと。

　国内IT市場の2012～2017年の年間平均成長率（CAGR）は0.1％、国内ICT市場のCAGRはマイナス0.4％で、それぞれ2017年の国内市場規模は、13兆9525億円、24兆6783億円と予測されている。

　なお2013年以降は、クラウド、モビリティ、ビッグデータ、ソーシャル技術といった「第3のプラットフォーム」市場の成長、特にクラウド化の進展が、IT/ICTの両市場において、構造変化をリードするだろうとのこと。IDC Japan ITスペンディング/ソフトウェア＆セキュリティ グループディレクターの和田英穂氏は、「日本のクラウド化の進展は世界に比べて遅れており、それが日本の労働生産性低迷の一因だ。ITベンダーはクラウド利用を促進すべく警鐘を鳴らすべき」と分析している。