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バーダシス、企業情報保護ソリューションをクラウドで提供する新サービスを発表

米Verdasys ワールドワイドセールス担当副社長のピーター・ティレル氏

 バーダシス株式会社は23日、同社の企業情報保護(EIP)ソリューションをクラウドで提供する新しいサービス「Verdasys MSIP(Managed Service for Information Protection)」を本日より提供開始すると発表した。

 「Verdasys MSIP」は、世界300社以上、国内50社以上に採用されている同社のEIPソリューション「Digital Guardian」をベースに開発したクラウドサービス。IP保護からサイバー攻撃保護、企業コンプライアンス順守までを、クラウド上からワンストップで提供するという。この新サービスの発表にあわせて、米Verdasys ワールドワイドセールス担当副社長のピーター・ティレル氏が、同社の提唱する最先端のDLPソリューション「DLP 3.0」について説明した。

 「企業における情報保護の課題は、さらに重要性を増してきている。これに対して当社では、情報を見ることができなければ、保護することもできないという考えのもと、『DLP 3.0』ソリューションを提案している。『DLP 3.0』は、3つのフェーズからなり、まずフェーズ1は従来型のDLPによる『コンプライアンスの保護』となる。次のフェーズ2は、『内部脅威に対する保護』で、ネットワークからエンドポイントまで含めて、リスクのイベントをすべて見える化することが重要だ。そして、最後のフェーズ3が『サイバー脅威に対する保護』となる。情報保護市場において、最も大きく成長しているのがこの分野であり、当社でもさまざまなソリューションを提供している」(ティレル氏)という。

 日本市場でのビジネス展開についてティレル氏は、「日本には、価値の高い知的財産を抱える重要な企業が多く存在する。こうした企業では、情報漏えいが起こると、多大なコストがかかるだけでなく、信頼を大きく失墜させることになる。それだけに、情報保護にフォーカスした当社のソリューションは、日本市場でさらにビジネスを拡大できると確信している。新たに提供するクラウドサービス『Verdasys MSIP』にも注力し、今後3年で200%の売り上げ成長に期待する」と意欲を見せた。

バーダシス 代表取締役社長の大橋裕司氏

 この目標達成に向けたビジネスプランについて、バーダシス 代表取締役社長の大橋裕司氏は、「昨年7月に日本法人の社長に就任して以来、ビジネス体制を刷新するとともに、PR・マーケティング戦略から販売戦略、営業戦略、製品戦略まで、それぞれ大幅に強化してきた。今年は、OSプラットフォームの拡充、および『Verdasys MSIP』の販売によって顧客層のすそ野を広げ、新規顧客30社、20万以上のライセンス提供を計画している。そして、2015年までに日本支社のスタッフを倍増させ、150社以上の顧客に40万以上のライセンス提供を目指す」との考えを示した。

 今回発表した新サービス「Verdasys MSIP」は、同社のEIPソリューション「Digital Guardian」をクラウド上で展開するもの。専門スタッフによるリスクアセスメントからはじまり、顧客と共同で企業ごとに適切なポリシー設定を行う。いったんポリシー設定を行った後は、Digital Guardianエージェントが継続的に監視し、暗号化されたデータをバーダシスのホスティング施設へと送信し、分析・レポーティングを顧客のコンソールに提供する。

「Verdasys MSIP」のサービス概要

 「『Verdasys MSIP』では、業界別にテンプレート化されたポリシーセットを用意しており、顧客ごとに最適化したEIPソリューションをクラウドサービスとして提供する。これによって、実績のあるEIPソリューションを、特定の顧客だけでなく、幅広い顧客に素早く提供することが可能となった」(大橋氏)という。

 さらに、クラウドサービスのため、顧客はシステム環境を新たに構築することなく、IPとトレードシークレットの保護から、内部脅威への対応、最先端のデータリスク分析とポリシー適用、PII/PCI&PHIコンプライアンス、最先端のサイバー保護とエクスポートコントロール管理までを実現でき、すべての脅威から一元的に保護することが可能となる。プラットフォームも、Linux、Mac、Windowsとすべてに対応している。

 「Verdasys MSIP」の参考価格は、1ユーザー月額980円(税別)から。同社では、2013年中に新規顧客も含め、5万ユーザーの獲得を目標としている。

(唐沢 正和)