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ペイジェント、日本IBMの協力を受け新データセンターを構築

決済代行システムの信頼性を向上

 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は17日、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)の子会社である株式会社ペイジェントが、日本IBMの協力のもとで新たなデータセンターを同日より稼働させたと発表した。国内では2拠点目になるという。

 DeNAの決済代行子会社であるペイジェントでは、現在、決済代行サービスを4995店舗の加盟店に提供しているが、スマートフォンへのシフトやオンライン決済の増加に伴う取引量の上昇、東日本大震災後の災害対策環境への関心などから、有事の際にも決済取引に支障をきたすことなく、より安定したサービスを提供することが求められているという。

 ペイジェントは今回、こうした課題を解決するため、以前から稼働しているデータセンターより300km以上離れた場所に、日本IBMの支援を受けて新たなデータセンターを構築した。ネット決済代行業では、拠点をまたいでシステムを二重化している企業が少ない中で、ペイジェントは両センターのシステムを同期させ、1つのデータセンターに不測の事態が起こった際にも連続稼働が可能な環境を提供できるため、これが強みになるとした。

 なおペイジェントのデータベース基盤では、複数台のUNIXサーバー「IBM Power 720 Express」とストレージシステム「IBM System Storage N6210」を採用している。各センターで稼働するIBM Power 720 Expressは、高可用ソリューション「PowerHA SystemMirror for AIX」によってクラスタリングされているため、システムの障害を自動検出し、サービス停止時間が最小限になるようにシステムの切り替えを行えるとしている。

 また、データセンター間のデータ転送には、IBM System Storage Nシリーズのデータ複製機能である「SnapMirror」を活用し、以前から稼働しているシステムの設計や運用を継承しつつ、システム間における増分データの自動複製を行って、効率的なデータ同期を実現する災害対策サイトを構築したとのこと。

(石井 一志)