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Webアプリのテストスタブを自動生成する「HP Service Virtualization 2.3」

 日本HPは12日、サービスシミュレーションツール「HP Service Virtualization 2.3」の日本語版を発表した。

 同製品は、Webアプリケーション開発のテスト工程において、サービスコンポーネントのシミュレーションを容易に実行できるツール。テスト期間の短縮、品質向上、およびコスト削減を実現する。

 Webアプリケーション開発のテスト工程では、サービスコンポーネントの制約問題(課金、開発中、アクセス制限など)によって、テスト環境が構築できない、またはテストが制限されてしまうことがある。そこで一般的には、サービスコンポーネントのシミュレーションツール(テストスタブ)を使ってテストが行われている。一方で、このテストスタブを自社作成している企業では、「動的な応答ができず単なる固定応答レベルしか提供できない」「作成に時間がかかりテスト開始が遅れる」「インターフェイスの頻繁な改修により即座にテストに入れない」といった課題を抱えているのが現状という。

 こうした課題を解決するため、「HP Service Virtualization 2.3」日本語版を提供。同製品では、日本語化された直感的なデザインインターフェイスにより、各サービスコンポーネントのシミュレーションテストを容易に行える。SOAP、REST、JMSなど主要なWebサービステクノロジーを網羅しており、幅広いWebサービス環境のシミュレーションが可能。また、テスト用のデータ設定を行うパラメータファイルとしてExcelファイルが利用できるほか、実際のサービスで利用されているトラフィックをキャプチャーする機能も備える。

 同製品により、テストスタブを作成する作業負荷から解放されるだけでなく、コンポーネント単位でテストの実施を前倒しできるため、早い段階でのバグ発見や修正が可能になり、手戻りコストを削減できるとしている。

 また、同製品は、性能テストツール「HP LoadRunner」とも連携が可能。HP LoadRunnerの管理画面から、負荷テスト時におけるテストスタブのログや応答時間を確認できる。これにより、性能ボトルネックの原因がアプリケーションなのか、サービスコンポーネントなのかを切り分けられるとしている。

 製品構成は、サービスコンポーネントのシミュレーションツールを作成・編集する「Service Virtualization Designer」と、作成したシミュレーションツールをサーバーにデプロイする「Server Virtualization Server」。価格は、前者が167万8950円、後者が5040万円。

(川島 弘之)