日立、仮想化・クラウド・大量データに対応したサーバー新製品


BS500

 株式会社日立製作所(以下、日立)は12日、統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」と日立アドバンストサーバー「HA8000シリーズ」のラインアップ強化を発表した。


ブレードサーバーの新モデル

 BladeSymphonyのラインアップに、処理性能を向上させたブレードサーバー「BS500」を追加するとともに、基幹系システム向けハイエンドモデル「BS2000」のパワーアップさせた新製品を開発し、13日より発売する。

 BS500は、サーバーの仮想化やクラウド、大量データを扱うシステムなどの基盤に求められる処理性能、拡張性、運用・管理機能を強化したブレードサーバーの新モデル。標準サーバーブレード「BS520H サーバーブレード」に最新のXeon E5-2600ファミリを搭載し、優れた処理性能を実現した。また、高密度なブレード形態でありながら、24メモリスロットを装備し、最大512GBのメモリを搭載できる。これにより仮想化の集約度を向上。さらに障害発生時に予備サーバーブレードへ自動的に切り替える機能や、N+1のコールドスタンバイ機能を備えるなど、高い信頼性を実現している。

 サーバー仮想化やクラウドに対しては、独自のサーバー仮想化機構「Virtage」を標準搭載し、1サーバーブレードあたり無償で4LPAR(最大30LPAR)まで利用できる。VMware ESX/ESXi、Hyper-V、Linux KVMにも対応し、用途に応じた仮想環境を構築できるとする。

 仮想化で重要な柔軟なネットワークについては、LANとSANのI/Oを統合する「Data Center Bridging(DCB)」に対応。「Converged Network Adapter(CNA)」のポート分割機能により、1つの10Gbps物理ポートを4つの論理ポートに分割して利用することも可能。イーサネット・ファブリックへの対応も図っている。

 運用管理面では、定義ファイルを用いたサーバーシャーシ設定に対応。PC上であらかじめ定義ファイルを作成し、リモートからサーバーシャーシにコピーすることで、短期間での設定を実現している。WebベースのGUIによる直感的な操作・設定も可能。障害発生時には、Webコンソール上に情報が表示されるため、障害部位が容易に特定できるとする。

 BS500の価格は111万9300円から。4月27日より出荷する。

 一方、ハイエンドモデルBS2000の新製品では、最新のXeon E5-2600ファミリを採用し、処理性能とメモリ容量を大幅に強化した2モデルを投入する。「標準サーバーブレードR3モデル」では、従来モデル比で約2.3倍となる最大5.4TBの内蔵ストレージを搭載。RAIDコントローラも標準搭載するため、内蔵ストレージ容量が求められるシステムに最適とする。

 もう1つの「標準サーバーブレードS3モデル」は、SANブート専用モデルとして、従来から提供しているブレードサーバー・ラインアップと合わせ、豊富な選択肢を提供する。

 BS2000標準サーバーブレードの価格は、53万3400円から。5月31日より出荷する。

標準サーバーブレードR3モデル標準サーバーブレードS3モデル



ラックマウントサーバーの新モデル

 HA8000シリーズでは、新たにラックマウントサーバーの2wayモデル「HA8000/Rs220-h」「HA8000/RS210-h」を投入する。新モデルでは最新のXeon E5-2600ファミリを採用して処理性能を向上するとともに、メモリ容量を従来の同等モデル比2倍の最大384GBとし、仮想化システムへの対応を強化した。ストレージ容量も「HA8000/Rs220-h」で従来比3倍の最大14.4TB、「HA8000/RS210-h」で従来比2倍の最大7.2TBに強化。さらに80 PLUS Platium認証を取得した電源を採用するなどしている。

 価格は「HA8000/Rs220-h」が28万4550円から、「HA8000/RS210-h」が26万4600円から。

HA8000_RS210-hHA8000_RS220-h
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(川島 弘之)
2012/4/12 12:06