農産物の販売・生産計画を連動させる「AgriSUITE」、試用版を無償提供

農家の六次産業化を支援


 株式会社日立東日本ソリューションズ(以下、日立東日本Sol)は22日、農業分野において販売と生産の情報をWeb環境に一元管理し、関係者が情報共有できる販売・生産プラットフォーム「AgriSUITE」の無償試行を発表した。

 「農業就業者の高齢化や後継者不足」「安価な輸入農産物との競争激化」といった課題を抱える農業では、第一次産業でありながら食品加工・流通販売にも参画し、効率と付加価値を上げる六次産業化や農商工連携などが活発化している。そこで必要となるのが、生産者や流通関係者などの間でタイムリーに情報を共有できる基盤。

 日立東日本Solが開発したAgriSUITEでは、農業分野における生産管理・実績管理の領域で経験とノウハウのあるアグリサポートネットワーク株式会社との共同研究を通じて、農業における販売・生産の計画連動と情報の一元管理を実現した。

 AgriSUITEを使うことで、生産者は販売先からの注文情報を登録することで作物別の販売計画を立てられる。さらに販売計画に基づいて、出荷時期、生産能力などを考慮した生産計画を立案できるため、消費者の需要を考慮した生産量の計画や、需要変動に合わせた出荷計画の調整が可能になるという。

 また、日々の生産コストや販売金額などの収益情報の管理・共有が可能。利益の見える化に加え、日々の販売単価や経費など収益に影響を与える要素の情報管理も可能になるため、収益悪化の早期検知や収益改善に迅速に対応できるという。

 データ入力にも手間がかからぬよう、テンプレート機能を搭載。作業者別や作物別などの定型的な入力作業を、生産現場の運用に合わせたテンプレートとして登録することで、日々のデータ入力の作業量を削減しつつ品質向上が可能となっている。

メニュー画面販売計画作成画面

生産計画作成画面販売実績登録画面

作業実績登録画面経費登録画面

 アグリサポートネットワークは「当社は、契約栽培や計画栽培に求められる“納期・品質・ロット”の管理を現場目線で支援する『知恵作』を開発・提供しており、多くの生産者に活用いただいています。しかし、より広く生産現場に貢献するためには、販売管理面の強化とWeb環境での運用が必須と考え、今回の協業に至りました。当社の経験・ノウハウを日立東日本Solの技術力と統合し、今後の農業をひらく新しい基盤を構築できました」とコメント。今後も両社で協業を深め、生産管理だけでなく、販売、製造、加工、流通も含めた6次産業化に向け、AgriSUITEを提案していく方針。まずは試用版を無償提供する。

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