JFEスチール、SAPのBI製品で情報活用基盤を刷新~Sybase IQにより従来比最大100倍の性能向上を実現


 JFEシステムズ株式会社とSAPジャパン株式会社は18日、JFEスチール株式会社がSAPのBI(ビジネスインテリジェンス)製品を採用して販売系の情報活用基盤を刷新したと発表した。具体的には、SAPの「BusinessObjects Business Intelligence XI 3.1」と、サイベースのデータウェアハウス(DWH)用データベースソフト「Sybase IQ」を採用したことにより、大量の販売系データの分析を迅速に行えるようになったという。

 鉄鋼大手であるJFEスチールでは、大量の受注・売り上げデータや、製品の固有情報を把握する「現品」のデータを管理しているが、従来のシステムでは1件の処理に5分以上かかるものや、場合によってはタイムアウトが発生するものなどがあり、迅速なデータ収集に支障をきたしていた。

 そこで同社は情報基盤の強化の一環として、2003年より利用していたSAP BusinessObjects BIをXI 3.1にバージョンアップし、分析機能の拡張を図るとともに、データウェアハウス基盤の強化を目的としてSybase IQを導入した。

 Sybase IQの採用にあたっては、データウェアハウス基盤の強化を目的とし、JFEスチールとその情報システム子会社であるJFEシステムズが、2011年6月から2カ月をかけ、実データをもとに事前検証を行った。この結果では、Sybase IQの最大の特徴となっているカラム型データベースの機能が、JFEスチールの要求に合致したため、平均で従来比約100倍のパフォーマンスを見込めることが確認できたという。

 採用決定後の本格開発および設計も、JFEシステムズが中心となって、基盤環境の構築・既存システムからのデータ移行設計と開発を実施。3カ月の短納期で本番稼働を実現している。

 なお刷新されたシステムでは、1日に2万3000件以上におよぶ製品の受注・売り上げと、現品のデータを管理しており、全国約5000人の社内ユーザーが、5000万以上のデータを保有・管理している。今回、処理速度が飛躍的に向上したことにより、今まで持てなかった膨大なデータを多面的に分析することが可能になり、JFEスチールの販売管理の高度化に寄与するとのことだ。

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