SAPジャパン、インメモリコンピューティングをはじめ新事業を続々推進

イルグ社長が事業戦略を語る


SAPジャパン 代表取締役社長 ギャレット・イルグ氏

 SAPジャパン株式会社(以下、SAPジャパン)は2月15日、プレス向けに2011年の事業戦略を発表した。

 2010年にSAPは、通期でソフトウェア売上が25%増、第四四半期は35%増という2桁成長を遂げた。SAPジャパンにおいても同様、ソフトウェアおよびソフトウェア関連サービスの売上は12%増、SME/Channel関連の売上は37%増という伸びを示している。SAPジャパン 代表取締役社長 ギャレット・イルグ氏は、「2010年は過去30年において、SAPが最も成長を遂げた年となりました。リーマンショック以降、企業にとって厳しい時期が続いていますが、2010年には復調の兆しがみえてきました。2011年は、より回復の年となるでしょう」と述べ、2011年に向けSAPジャパンが注力していく事業としてコアビジネスの推進、エコシステムの拡大、新規マーケットへの参入の3つを挙げた。

 コアビジネスの推進では、業務や業界に特化したシナリオを含むベストプラクティスの提供など、「SAP Business Suite」の拡張や、「SAP enhancement package」による継続的な拡張を行うという。さらに、日本SAP全体売上の約4割を占めるビジネス・アナリティクスの分野では、「SAP BusinessObjects 4.0」の提供を開始するという。

 エコシステムの拡大戦略については、チャネルビジネスの拡大、パートナーシップの強化、チャネルエコシステムの構築を推進していくという。また、OEMやオンデマンドなど、新しいビジネスモデルも展開する。

 新規マーケットへの参入について、SAPはインメモリー・コンピューティングの本格展開を開始するという。「SAP史上最大のテクノロジー・イノベーション」とイルグ氏が語るSAP HANA(High Performance Analytic Appliance)は、インメモリー・コンピューティングによって、DWH市場にSAPが本格的に参入することを示している。また、昨年買収したSybaseのテクノロジーによって、新しいモビリティプラットフォームや、モバイルコミュニティ向けのソフトウェア開発キット(SDK)など、競争力のあるSAPのモビリティソリューションの提供を開始するという。

 また、SAPでは2011年から2015年にかけての5年間で、コアビジネスであるERPやミドルウェア、ビジネスアナリティクスといった分野の成長はもちろん、インメモリー・コンピューティング、モビリティ、オンデマンドといった新規事業を拡大することで、ターゲット市場規模を、現在の1100億ドルから、2200億ドルへと成長させるという。2012年以降には、オンデマンドの分野でも、新しい事業を展開する予定である。

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