ウルシステムズ、基幹バッチを高速化するHadoopフレームワーク「Asakusa」


 ウルシステムズ株式会社は9日、基幹業務システムのバッチを高速処理するためのHadoopフレームワーク「Asakusa Framework(以下、Asakusa)」を開発し、オープンソース化して提供すると発表した。

 Hadoopは、オープンソースの分散処理基盤ソフト。大容量データを多数のサーバーに分散し並列処理させることで高速なデータ処理を実現する。しかしこれまでは、Webデータの分析や消費者の行動解析などB2C分野での利用がほとんどで、企業の基幹業務システムに適用するには機能や運用環境が不足していたという。

 Asakusaは、基幹業務システムのバッチ処理の高速化を目的としたソフトで、Hadoop上にバッチ処理に必要な開発環境・実行環境・運用環境を実装している。具体的に、高速処理のための「実行環境」として、Hadoopの分散並列処理を用いた高速バッチ処理フレームワークを、「開発環境」として、業務フロー設計からプログラムコードを自動生成するMapReduceコンパイラ、モデルジェネレーター(自動生成ツール)、一連のテストツール群を、「運用環境」として、障害からの自動復旧、バッチジョブの実行監視機能を備える。

 Hadoopに詳しくないエンジニアもAsakusa上で簡単にシステム開発できるため、分散処理技術によるメリットを広い分野に適用できるとしている。

 ウルシステムズは、Asakusaをオープンソースとして公開。現在、β版を限定パートナー向けに提供しており、複数社で導入検討が進んでいる。すでに実案件でも採用されており、Asakusaを利用することで4時間かかっていたバッチ処理がほんの数分で完了した実績もあるという。オープンソース化した正式版の提供は、3月ごろを予定する。

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