日立情報、「プライベートクラウド構築ソリューション」を本格展開


プライベートクラウド構築ソリューションの全体構成

 株式会社日立情報システムズ(日立情報)は3日、従来より提供してきた各種クラウドサービスを組み合わせ、「プライベートクラウド環境ソリューション」として本格展開すると発表した。顧客のTCO削減や経営環境変化への対応力などビジネスの拡大を支援するという。

 同社はこれまで、顧客ごとに最適な仮想環境を導入する仮想化ソリューション「VSolution」、全国のデータセンターで展開するハイブリッドアウトソーシング「BusinessStage」、各種SaaSソリューション、セキュリティクラウドサービス「SHIELDeXpress」など、さまざまなクラウドソリューションを展開してきた。

 今回、これらのクラウドサービスを「仮想プラットフォーム」「アプリケーション環境」「ネットワーク・セキュリティ」「デスクトップ環境」の4分野に集約し一体化させ、「プライベートクラウド構築ソリューション」として本格展開する。

 特徴としては、2年間で約200社に導入した仮想化ソリューションの実績・ノウハウや、クラウド構築・運用技術を組み合わせて、使いやすく高信頼なプライベートクラウドを短期間で構築するという。全国の日立情報データセンターを利用することで、システム運用負荷も軽減できる。

 また、多様なアプリケーション開発経験を生かし、ユーザー独自のSaaS環境を構築。顧客環境で稼働しているアプリケーションや日立情報の業務パッケージをSaaS化し、ハードウェアやOSに依存しない情報システムライフサイクルを実現する。

 在宅勤務や外出先からのモバイルアクセスについては、仮想デスクトップ環境を強固なセキュリティ技術を付加して提供。パブリッククラウドも含めた複数のクラウドサービスでシングルサインオンを実現する「統合ID認証サービス」も提供する。

 さらにアクセスログの一元管理やPKIによる強固な認証基盤を導入し、コンプライアンスを強化。これらにより、アプリケーション、ネットワーク・セキュリティ、仮想デスクトップを含めた顧客専用のプライベートクラウドを構築し、システムの柔軟性・可用性の向上や運用保守の合理化を実現。仮想化によるサーバー統合により消費電力も削減でき、グリーンITにも寄与するとしている。

 日立情報では、同ソリューションを日立グループのクラウドソリューション体系「Harmonius Cloud」の1つとして大・中堅企業に展開し、2012年度に200億円の売り上げを目指す。

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