ネットワールド、VMware認定の仮想共有ストレージ「StorMagic SvSAN」

サーバー仮想化でSAN/NASを不要にする仮想アプライアンス


「中小企業でも仮想化の導入が進んでいるが、ストレージなどのコストが障壁」と語るネットワールド、森田晶一代表取締役社長
StorMagic SvSANの構成図

 株式会社ネットワールドは1日、VMware認定の仮想共有ストレージ「StorMagic SvSAN v4.4」を発売した。直接・間接販売にて2011年3月末までキャンペーン価格で提供する。ライセンス参考価格は、容量2TBで24万9800円から。

 StorMagic SvSANは、複雑で高価なSAN/NASストレージを使用せずに、VMware ESX向けに共有ストレージ機能を提供する仮想アプライアンス製品。2006年創業の英StorMagicが開発し、今回のv4.4でVMware SVA(Storage Virtual Appliance)認定プログラムをクリアしている。

 機能としては、vSphereサーバー上のローカルディスクの空き領域を、iSCSIの共有ストレージ領域として利用可能にする。2台のサーバー上に作成したデータストアを同期し、筐体間でミラーリングを構成することで、本来、SAN/NASの共有ストレージが必須となるVMware HAやVMware vMotionなども利用可能となる。筐体自身の障害発生時にデータの冗長性も実現。データ領域の管理は、vCenterのプラグインモジュールとして同一画面から行える。

 複数のサーバーで仮想環境を構築する場合、それぞれのサーバーからアクセスできる共有ストレージが必要となる。従来は高価なSAN/NASストレージを利用するのが一般的だが、導入にも運用にもコストがかかる。StorMagic SvSANでは、サーバーに内蔵されている安価なHDDやSSDで仮想共有プールを構築するため、コストを削減できるのがメリット。

データ領域の管理はvCenterから可能

 ネットワールドは、VMwareの最新テストスペックに基づいて技術認定されたのを受け、StorMagicと販売代理店契約を締結し、国内展開を図る。VMware認定サーバーへのプリインストールモデルなども順次準備していく予定だ。

 主なターゲットは、vSphere 4.1の「Essentials Plus」や「Standard」を使う中小企業。従来、上位ライセンスとなる「Advanced」「Enterprise」「Enterprise Plus」でのみ提供されていたvMotionが、vSphere 4.1にバージョンアップしたタイミングで「Essentials Plus」「Standard」にも標準搭載されたため、これらを使って比較的小規模な仮想マシン移行環境を整えたい企業を支援する考え。

 「StorMagic SvSANでは、2台でのミラーリングが基本となる。3台目の仮想サーバーを追加した際は、iSCSIストレージとして最初の2台のローカルストレージにアクセスする形。この構成で仮想サーバーのスケールアウトが可能だが、3台以上でミラーリングを行うとすると構成や設定が複雑となり、運用面でSAN/NASを利用しないメリットが生かしづらくなる。案件ごとの要件に応じてだが、Advanced/Enterprise/Enterprise Plusを活用する大規模ユーザー向けには、今まで通り、EMC/NetApp/Dellストレージを提案するなどしてすみ分けたい」(同社)。

 StorMagic SvSAN v4.4のキャンペーン参考価格は、容量2TBで24万9800円、4TBで34万9800円、8TBで89万8500円、容量無制限で143万8500円。

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