キヤノンソフト、大企業向けの基幹システム再構築基盤「SOAフレームワーク」
キヤノンソフトウェア株式会社(以下、キヤノンソフト)は29日、SOAソリューション事業を強化するため、基幹システムの構築基盤システム「SOAフレームワーク」を同日より提供すると発表した。
SOAフレームワークは、経営環境の変化に柔軟に対応し、経営効率の向上とコスト削減を両立する、J2EE準拠のフレームワーク。キヤノンマーケティングジャパン(以下、キヤノンMJ)グループの基幹システムを構築するために、キヤノンMJ自身が開発したアプリケーションフレームワークをベースとするもので、キヤノンソフトの持つ、マルチベンダー対応のSOA技術と、最新のWebサービス手法を組み入れているという。
具体的には、業界標準技術であるWebサービス技術を用いた業務ロジック呼出を基本構造とし、ロジックの再利用による、変化に柔軟なシステム構成・連携を実現。伝票入力、チェック業務など、基幹業務の担当者運用ニーズに応える高いレスポンス性能を持つほか、RIA対応により、画面の操作性と表現力を強化している。さらに、分散環境でのアプリケーション障害管理機能など、運用管理の機能も備えた。
ユーザー企業はこれを用いることで、分散疎結合アーキテクチャの設計から、フレームワークによる基幹業務システムの開発、連携基盤の構築、運用支援まで、一貫したサービスを活用できるとのこと。また、SOAシステム開発における技術やノウハウ習熟の困難といった課題も解決可能としている。
キヤノンMJでは、このベースとなったフレームワークを用いて基幹システムを構築。2008年からグループ全体で運用をスタートさせ、現在グループ社員約2万人が利用している。この基幹システムでは、分散していたシステムを統合し、業務プロセスの統一化やデータの集中管理を行って、グループ連結経営体制を強化した。また、顧客情報を有効に活用できるシステムを構築したことで、顧客の要望に的確に対応できるとのこと。
キヤノンソフトでは、SOAフレームワークの開発・運用の経験と、大手企業向けのSOAソリューション提供で蓄積したノウハウを生かし、顧客企業のニーズにあわせた、SOA基幹システムの構築支援サービスを提供していく予定で、大企業を中心に、2012年度に30億円の売上高を目指している。