NEC、スウェーデンIFS製のERPアプリケーションをSaaS型で提供

モジュール単位での柔軟な導入が可能


 日本電気株式会社(NEC)は10日、スウェーデンIndustrial and Financial Systems(IFS)およびIFSジャパン株式会社と、クラウドサービス事業で協業を強化すると発表した。これに伴い、IFSのERPパッケージ「IFS Applications」を、SaaS型のクラウドサービスで、2011年4月より提供する。同パッケージをSaaSで提供するのは、世界で初めてという。

 NECが提供するサービスでは、「IFS Applications」の会計・販売物流・生産業務領域の機能を30種類のモジュール(業務機能)に細分化し、モジュール単位で利用料金を設定した。販売物流・生産管理の領域は、各社個別のカスタマイズ要素が多いため、SaaS型での提供が難しいとされてきたが、モジュール単位とすることでカスタマイズ要素を減らし、今回のSaaS型提供に結び付けたという。

 加えて、ファームバンキング連携、手形機能、製番機能といった日本企業特有のニーズに適応するための機能と、グローバル需給調整機能をIFSと共同開発。これらの機能をあわせて提供することにより、日系企業の業務プロセスにより適したシステム利用を実現する。

 またモジュール化によって、ユーザー企業は、事業環境やニーズに応じて必要最小限のモジュールを選択できることから、コストを削減しながら柔軟なシステム利用が可能になる点もメリット。同等システムをSIで構築した場合と比べると、5年間トータルでTCOを30%以上削減できるとしている。

 なおNECではこれまで、130社へIFS Applicationsを納入した実績があり、そのうち1/3が、アジアを中心とした海外への納入だったのこと。今回のSaaS提供についても、グローバルに販売を行う計画で、5年間に50社への協業を目指している。

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(石井 一志)
2010/11/11 14:03