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富士通、既存環境へのクラウド移行支援サービスやSolarisベースのIaaSを提供開始

デジタルプラットフォーム「MetaArc」の新サービス

 富士通株式会社は17日、基幹システムのスムーズなクラウド移行と、新規ビジネスの迅速な立ち上げを実現するサービスとして、デジタルビジネスプラットフォーム「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc(以下、MetaArc)」を強化し、新たに3種のサービスの販売を開始した。

 富士通では、既存システムのクラウド環境への移行や、最新のICTを活用した新規ビジネスの立ち上げなどを検討する企業に対して、富士通自身の社内システムのクラウド環境への移行や、さまざまな業種の顧客との実証で得た知見やノウハウと、IoT、AIなどの最新ICTをベースに、マルチクラウド、ハイブリッドクラウド環境を容易にワンストップで実現する商品・サービスを「MetaArc」として提供している。

 今回、MetaArcで新たに提供するサービスは、システムの移行計画の立案から設計、システム構築までを総合的に支援する「FUJITSU Infrastructure System Integration MetaArcグランドデザインサービス(MetaArcグランドデザインサービス)」、既存システムを富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5(以下、K5)」にスムーズな移行を可能にする「FUJITSU TransMigration K5移行サービス(以下、TransMigration K5移行サービス)」、Oracle SolarisベースのIaaS「FUJITSU Cloud Service U5」の3種類。

 「MetaArcグランドデザインサービス」では、富士通の専門チームが顧客とともに、マルチクラウドやハイブリッドクラウド環境も含めた最適なシステムの全体設計と移行計画の立案、実際の構築までをトータルで行う。各業務システムを要求されるサービスレベルやセキュリティ要件などの複数の観点から分類し、それぞれのレベルごとに標準化を徹底する「業務仕分けアプローチ」を適用することで、複雑化したシステム基盤を全体最適化した上で迅速に刷新できる。サービスの販売価格は個別見積もり。

「MetaArcグランドデザイン」適用例

 「TransMigration K5移行サービス」は、LinuxやWindowsをベースとした既存システムの「K5」へのスピーディーな移行を可能にするサービス。富士通が2015年10月に買収した仏UShareSoftの移行自動化ソフトウェア「UForge」を活用し、既存システムの移行に必要な情報(OSやミドルウェア、業務アプリケーション、個別の設定情報など)を自動的に収集し、「K5」に一括して移行させるため、移行時間を従来の約3分の1に短縮できるとしている。サービスの販売価格は個別見積もり。

 「FUJITSU Cloud Service U5」は、Oracle Solaris環境をIaaSとして提供するサービス。サービスを利用することで、顧客企業はOracle Solarisをベースとした既存システムのスムーズなクラウド環境への移行や、富士通のUNIXサーバーと連携したハイブリッドクラウド環境の構築を容易に実現できる。サービスの販売価格は月額13万9200円(税別)より。

 また、ビジネスのデジタル革新領域に向けた取り組みの強化として、富士通がこれまで顧客企業と取り組んできた成功事例をモデル化して提供する 「デジタル革新オファリング」を開始。デジタル革新に取り組む企業向けに、体験型デモや専門家によるセッション、ワークショップなどを提供する施設「FUJITSU Digital Transformation Center」を開設した。

三柳 英樹