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キヤノンITS、マルウェアを解析して挙動や対策方法などをレポートする「マルウェア解析サービス」

 キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は27日、ウイルスなどの不審なマルウェアを解析してレポートする法人向けのセキュリティサービス「マルウェア解析サービス」を、7月1日から提供開始すると発表した。

 顧客企業から提出された検体を、キヤノンITSの技術者が基本的な動作を解析し、解析報告書を作成するサービス。解析報告書(10~20ページ)には、企業の情報システム部門がインシデント対応や社内報告のために必要な情報として、検体の概要(ESET検出名/対応パターンファイル)、解析結果概要、通信先情報・通信データ、感染確認手順、復旧方法などが記載される。

マルウェア解析サービス

 サービスの料金(税別)は月額35万円で、月に4検体まで対応。1検体につき10万円のスポット解析サービスも提供する。企業から提供された検体については、まず解析が可能であるかを調査した後、実際の解析を行う。解析報告書は2営業日を目安として提供する。

提出されたマルウェアをキヤノンITSの技術者が解析
解析報告書を納品する

 キヤノンITSでは、国内総販売代理店としてウイルス対策ソフト「ESET」などのセキュリティ対策商品を扱っているほか、国内で猛威を振るうさまざまなマルウェアによる攻撃などの情報を収集、分析し、解析結果をウェブサイト「マルウェア情報局」を通じて配信している。

 一方で、最近では日本国内でもオンラインバンキングを狙ったトロイの木馬の被害が増加しているほか、2016年に入ってからはランサムウェア「Locky」の被害も急増し、個人だけでなく企業もターゲットになっていると説明。こうした状況から、企業内で発見したマルウェアへの対処のために、感染の有無を確認する方法や、被害状況の調査方法、感染時の復旧方歩など、マルウェアに関する信頼性の高い情報を一括で取得したいという要望が高まっているとして、主に大規模企業向けにマルウェア解析サービスを提供する。

 キヤノンITSでは、これまでも顧客企業からの要望に応じて、提出された検体がマルウェアであったかといった情報の提供を個別には行っていたが、より詳細な情報を提供するメニューとしてサービス化。今後もさらに、セキュリティに対する取り組みを強化していくとした。

キヤノンITソリューションズの山本昇氏

 また、キヤノンITSでは、5月11日~13日に東京ビッグサイトで開催される「Japan IT Week春」において、「情報セキュリティEXPO」にマルウェア解析サービスを出展。併催の「クラウドコンピューティングEXPO」「ソフトウェア開発環境展」「組込みシステム開発技術展」にも出展し、グループのサービス、ソリューション、製品を紹介する。

三柳 英樹