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「MySQL 5.7」提供開始、ベンチマーク性能は前バージョン比3倍の高速化

 米Oracleは19日、オープンソースデータベース「MySQL」の最新版となる「MySQL 5.7」の一般提供を開始した。MySQL 5.7では、性能と拡張性、管理性の向上に加え、JSONのサポートによりNoSQL機能を強化した。

 性能面では、SysBench Read-only Point-Selectを使用した1024の接続によるベンチマークテストで、MySQL 5.6の3倍となる160万QPS(1秒あたりのクエリー数)を達成。InnoDBの最適化も行われ、性能と同時実行性、オンライン操作、空間インデックス、ネイティブパーティショニングなどを強化。レプリケーション機能の強化も図られ、マルチソースレプリケーションの導入や、グローバルトランザクション識別子(GTID)の改良、マルチスレッドスレーブの強化により、性能拡張性と可用性を改善した。オプティマイザについては、新しいMySQLオプティマイザにより、クエリーの性能とユーザー制御を向上した。

 管理性については、パフォーマンススキーマやMySQL SYSスキーマを強化するとともに、モバイルアプリケーション向けのGIS(地理情報システム)サポートを強化。また、ネイティブのJSONデータ型とJSON関数に対応し、スキーマレスデータの効率的かつ柔軟な保管、検索、操作が可能になり、新しい内部バイナリフォーマット、SQLとの容易な統合のサポート、Generated Columns(生成列)を利用したJSONドキュメントのインデックス管理といった機能も強化した。

 さらに、複数のMySQLデータベースにアプリケーションを容易に接続できるようになる「MySQL Router」を導入。MySQLデータベースにクエリーをインテリジェントにルーティングすることで性能と可用性を改善し、アプリケーション開発効率を向上する。MySQL Routerでは、各種開発言語からのMySQL Fabricサポートも提供され、MySQLデータベースグループの管理が容易になるとともに、データシャーディングの自動化を通じて高い可用性と拡張性を実現するとしている。

三柳 英樹