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明日7月1日午前9時前に「うるう秒」挿入、予期せぬサーバーの不具合に警戒を

 明日、7月1日に「うるう秒」の挿入が実施される。日本時間の午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」が挿入され、この日は通常よりも1秒だけ長い一日となる。

 うるう秒の挿入は3年ぶりとなるが、前回の2012年7月1日には、一部のLinuxカーネルにうるう秒の扱いに関する不具合があったことから、サーバーマシンなどに不具合が発生したことが確認されている。

 前回のうるう秒挿入時にサーバーの不具合が起こったさくらインターネット株式会社の場合は、ネットワーク経由での時刻合わせを行うNTPで問題が発生した。NTPでは、うるう秒実施の24時間前から「Leap Indicator」と呼ばれる実施予告が通知されるが、この通知を受け取った際に、Red Hat系のLinuxカーネルにおいて正常でない動作が発生。CPUのロックアップが発生し、カーネルのパニックが引き起こされた。

 さくらインターネットでは、うるう秒の挿入実施前後に、NTPを使った時刻合わせを一時的に停止する対応を行い、うるう秒に関するバグがあったとしても顕在化しないよう対策を行っていた。しかし、この問題はうるう秒実施の24時間前に顕在化したため、結果として計画外のサーバー再起動が発生する事態となった。

 また、ユーザー管理下の仮想サーバーにおいても、うるう秒挿入による負荷上昇が同時多発的に発生。さくらインターネットが管理するサーバーではこの問題は発生しなかったが、仮想サーバー内でこの問題が発生したことで、ホストサーバーのCPU使用率が上昇し、問題が発生していないユーザーのサーバーについてもレスポンスが遅くなるなどの影響があった。

 さくらインターネットでは、今回のうるう秒挿入に際しても、事前にうるう秒を挿入するテストや、ソフトウェアのアップデート、前回と同様にNTPを使った時刻合わせを一時停止する措置などの対策を実施。前回はうるう秒実施の24時間前から不具合が確認されていたが、今回は前日時点での不具合は確認されていないという。

 また、ユーザーに対しては、うるう秒によるOSへの影響を確認し、必要に応じてアップデートなどの対策を行うよう呼び掛けている。ユーザーが利用している仮想サーバーで、うるう秒挿入に起因する負荷上昇と見られる事象が確認され、他の仮想サーバーへの影響が懸念された場合などには、さくらインターネット側でリソースの制限や仮想サーバーの再起動を実施する場合があるとしている。

三柳 英樹