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SonicWALLブランドでは日本初の無線LANアクセスポイント、デル・ソフトウェアが提供

高速通信と包括的なセキュリティを同時に実現

Dell SonicPoint ACi

 デル・ソフトウェア株式会社は6月24日、ギガビットクラスの高速通信を実現するIEEE 802.11acワイヤレステクノロジーと、SonicWALLの次世代ファイアウォールを一体化したワイヤレス・ネットワーク・セキュリティ・ソリューション「Dell SonicPointシリーズ」3モデルを8月上旬に発売すると発表した。

 「Dell SonicPointシリーズ」は、多種多様な脅威への対策として、包括的なセキュリティ侵入防御、SSLの復号化と検査、アプリケーション制御、コンテンツフィルタリングなどの各機能に加えて、ワイヤレス侵入検出/防御や仮想アクセスポイント、ワイヤレス・ゲスト・サービス、クラウドアクセス制御リストなどを備えたソリューション。Dell SonicWALLブランドとしては、日本で初めての無線LANアクセスポイント製品となる。

【お詫びと訂正】

  • 初出時、「初めてのワイヤレス対応セキュリティ製品」と記載しておりましたが、以前提供されていた「SonicWALL TZシリーズ」にワイヤレス対応製品が含まれていたため、記載をあらためました。また、タイトルも変更しました。お詫びして訂正いたします。
デル・ソフトウェア セキュリティ営業本部 本部長の藤岡健氏

 デル・ソフトウェア セキュリティ営業本部 本部長の藤岡健氏は、「『Dell SonicPointシリーズ』は、エンタープライズクラスの高いワイヤレスパフォーマンスと、ワイヤレスに対する脅威の検出・防御を同時に実現する。また、Dell SonicWALLの次世代ファイアウォール製品の配下で動作し、高度なセキュリティ機能を備えると共に、一元管理ができる点も大きな特徴だ。コストパフォーマンスにも優れており、競合製品に比べて半分程度の価格で提供する予定」と、新製品の優位性を説明する。「今後、マイナンバー制度の施行にともない、多くの企業がワイヤレスを含めたセキュリティ環境の見直しを行うことが想定される。『Dell SonicPointシリーズ』を新たに投入することで、こうしたセキュリティニーズの高まりに応えていく」と、新製品をリリースする狙いを述べた。

 「Dell SonicPointシリーズ」では、最新規格のIEEE 802.11acに対応した「Dell SonicPoint ACe」「Dell SonicPoint ACi」と、既存のIEEE 802.11nに対応した「Dell SonicPoint N2」の3モデルをラインアップ。「Dell SonicPoint ACe」は外付けアンテナ、「Dell SonicPoint ACi」は内蔵アンテナとなっている。

 デルソフトウェア セキュリティ営業本部 ネットワーク技術部 部長の安藤正之氏は、IEEE 802.11ac対応モデルの高速性能について、「IEEE 802.11acのサポートによって最大1.3Gbpsのワイヤレススループットを実現し、従来のIEEE 802.11n対応モデルに比べて約3倍のパフォーマンスを発揮する。また、2つの無線装置を搭載し、1つを比較的接続数の少ない5GHz帯専用に割り当てることで、高い信号品質を維持。もう1つは、2.4GHz帯に割り当て、IEEE 802.11b/g/nの既存クライアントに対応する。さらに、送受信に6つのアンテナを搭載し、3×3MIMOに対応することで、優れた信号品質、到達距離、信頼性を提供する」としている。

デルソフトウェア セキュリティ営業本部 ネットワーク技術部 部長の安藤正之氏
Dell SonicPointシリーズ

 「IEEE 802.11ac対応の競合製品とのパフォーマンス比較では、壁2つを設置した15mの距離において競合製品が30Mbpsであったの対してDell SonicPointは64Mbps、壁3つを設置した30mの距離では競合製品が3.5Mbpsであったのに対してDell SonicPointは8.5Mbpsと高速のパフォーマンスを発揮した」(安藤氏)という。

 プロセッサには、Qualcomm Atheros社のアップグレードされたワイヤレスLAN用プロセッサを採用。インターフェイスは、イーサネットポートを2つ、コンソールポートを1つ、USBポートを1つ備えている。イーサネットポートのうち1つはPoE対応で、「Dell SonicPoint ACe/ACi」は2台まで、「Dell SonicPoint N2」は3台までデージーチェイン接続が可能となっている。また、筐体には、難燃性の高いプレナム・レートを採用しており、万が一、設置場所が火事になっても溶解することがなく、災害規模を抑えることができる。

 Dell SonicWALLの次世代ファイアウォール製品との連携機能としては、「『Dell SonicPointシリーズ』の自動検出および自動プロビジョニングが可能で、セットアップを容易に行うことができる。また、有線とワイヤレス両方のセキュリティに関する管理と監視を、ファイアウォールまたはDell SonicWALL Global Management Systemのインターフェイスを通じて一元的に制御することができる」(安藤氏)という。

 さらに、次世代ファイアウォール製品が提供する包括的なセキュリティ機能を利用することが可能だ。再構築不要のディープ・パケット・インスペクション(RFDPI)テクノロジーの適用により、有線およびワイヤレスネットワーク上のすべてのトラフィックをスキャンし、侵入、スパイウェア、ウイルス、その他の脅威を排除する。

 ワイヤレスの侵入検出・保護機能では、ワイヤレスネットワークをスキャンして、許可していない不正なアクセスポイントを検出し、管理ファイアウォールがデバイスへの接続防止など自動的に対応策を実施する。

 仮想アクセスポイント機能では、管理者が1つのアクセスポイントに対して最大8つのSSIDを作成し、それぞれに専用の認証とプライバシーの設定を行うことが可能。これにより、ワイヤレスネットワークのトラフィックとカスタマーアクセスを区分し、セキュリティを向上させることができる。

 このほか、ゲストユーザーにアクセスを限定したサービスを提供するワイヤレス・ゲスト・サービスや、Webブラウザを通じてユーザーをホームページに導き、認証を経てアクセスさせるキャプティブポータル、複数のRADIUSサーバーをアクティブ/パッシブモードで展開することで高可用性を実現するMulti-RADIUS認証などの機能を備えている。

唐沢 正和