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みなと銀行、富士通の災害対策用システムのアウトソーシングサービスを採用

 富士通株式会社は20日、株式会社みなと銀行が、富士通の災害対策用勘定系システムアウトソーシングサービス「FUJITSU Financial Services Solution FSPS-DR」(以下、FSPS-DR)の導入を決定したと発表した。10月より、このサービスを利用した災害対策(ディザスタリカバリ:DR)サイトの本格運用を開始する予定。

 FSPS-DRは、地域金融機関ごとのDR用勘定系システムを、富士通のデータセンター内に構築するサービス。平常時の取引データのリアルタイムバックアップや、被災時のシステムの立ち上げと切り替えといった初動対応支援、運用管理などと合わせて提供する。

 具体的には、仮想化技術により分割したメインフレーム基盤上に、各地域金融機関の専用システムが複数構築される仕組み。これらのシステム環境の維持と運用管理を、富士通が一括して行うことにより、地域金融機関のTCO低減が図れるという。

 みなと銀行はこのサービスを利用することで、ウォームスタンバイの独自のDRサイトを効率的に確保できるほか、被災時には、取引データ消失を最少に止め、早期に業務を再開可能になる。コスト面では、自前でDRサイトを構築する場合と比べ、約4割のTCO低減が見込まれるとした。

 なお、データセンターの勘定系システム基盤に装備されている「FUJITSU Storage ETERNUS DX8000 S2 series」のアドバンストコピー機能により、本番サイトから取引データをリアルタイムにバックアップしているため、万一の被災時でも、データ消失は数秒間分にとどめられるとのこと。

 さらにサポートセンターでは、地域金融機関の勘定系システム管理業務に熟練した担当者が、日々のデータバックアップの運用管理と定期的な運用切り替え訓練を行い、被災時に支障なくDRサイトへの切り替えができるような備えを実施。みなと銀行の現行システムセンターが被災した場合には、DR用勘定系システムの立ち上げや切り替えなどの初動対応を支援する。

石井 一志