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東京工科大、学生が「Docker」で手がけた学内システムを全学導入

 東京工科大学(以下、東京工科大)は22日、コンピュータサイエンス学部の学生らが手がけた、コンテナ型仮想化技術を用いた学内システムを構築し、1月より全学で運用を開始したと発表した。

 同学では、学内ICT環境の全面的なクラウド化に早くから取り組み、2014年4月に全学生約8000人向けにサービス提供を開始した。今回、この発展形として、コンテナ型仮想化機構「Docker」をベースとしたハイブリッドクラウドを構築。構築にあたっては、クラウド化プロジェクトに携わったコンピュータサイエンス学部の大学院生と学部生3名が開発から運用までを担った。こうした学内システムの基幹部分を学生が手がけるのは、国内では珍しい事例という。

コンテナ型仮想化による学内クラウドシステムの概略

 同システムの導入により、従来の仮想マシン(VM)機構の半分以下のコストで、より高い拡張性を持つ基幹システムを運用でき、たとえば人工知能のような最新ICT技術を教育サービスに活用することも手軽になるという。また、学生はふんだんに使える計算機資源により、Webブラウザのみを用意して手軽にプログラミング実習が行えるほか、自身がプログラム開発した作品を学内ポータルサイトで公開したり、学内向けサービスとして試験的に運用したりすることも可能になるという。

 同学では来年度にもこの環境を活用したプロジェクト演習を採り入れるなど、実践的なICT教育の充実や、先進的なICT環境による学内サービスの向上を図る。さらに将来的には大学院教育におけるクラウドを活用した産学連携など、高度な実学教育も計画するとしている。