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日本オラクル、Oracle DBの保護に特化したエンジニアド・システムを国内発売

Zero Data Loss Recovery Appliance

 日本オラクル株式会社は21日、Oracle Databaseのバックアップ/リカバリに特化したエンジニアド・システム製品「Zero Data Loss Recovery Appliance」(以下、Recovery Appliance)を発表した。同日より国内での提供を開始する。価格は、ハードウェアの最小構成が3152万円(税別)から。

 「Recovery Appliance」は、Oracle Exadataのアーキテクチャをベースに、Oracle Databaseのバックアップ/リカバリに特化して開発されたアプライアンス製品。単一システムで数千のデータベースを保護でき、複数バージョンや異なるプラットフォームのOracle Databaseに対応するため、バックアップ/リカバリにかかる手間やコストを大幅に削減できるという。

 米Oracle データベースサーバー技術担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏は、「根本的に、従来のバックアップ装置はファイルシステム用に設計されているため、データベースを理解できない」という点を指摘。単なるファイルコピーを行うだけでは、データベースを正常に復旧できないリスクや、バックアップウインドウが大きくなりすぎて本番環境に影響を与えてしまう、といった問題を解決できないと話す。

 また、日次でバックアップを取っていたとしても、最後にバックアップしてから半日後にトラブルが起きた場合、最悪のケースではその半日分のすべてのデータが失われてしまうといった、データ損失のリスクがある点も指摘した。

米Oracle データベースサーバー技術担当 エグゼクティブ・バイスプレジデントのアンドリュー・メンデルソン氏
従来型バックアップ装置の課題

 一方「Recovery Appliance」は、REDOデータをアプライアンスに対して継続的に送信し、最新のトランザクションをリアルタイムで保護する仕組みを導入しているため、例えば本番データベースでハードウェアトラブルが発生してデータが失われたとしても、そのトラブル直前のデータを復旧可能。またバックアップ時にはブロックレベルでデータ整合性のチェックを行っているので、データ破損への対策も行えるという。

 さらに、本番データベース側はデータ変更のみを転送すればよく、すべてのバックアップ処理は「Recovery Appliance」にオフロードできることから、バックアップの影響を最小化できる点もメリット。テープ装置へのアーカイブも、「Recovery Appliance」から直接行うことが可能だ。

Recovery Applianceの概要
バックアップの影響を極小化

 利用にあたっては、一度フルバックアップを取得した後で、日々の差分を利用して“仮想”フルバックアップを作成するため、少ない容量で長期間のバックアップ履歴を保持可能。リストア時も仮想フルバックアップから直接戻すことができる。これについて、日本オラクル 専務執行役員 データベース事業統括の三澤智光氏は「従来の世代管理とはまったく異なる効率性を持つ。重複排除機能のある一般的なストレージに比べて、10倍近い効率性を実現した」と述べた。

 なお、フルラック1台あたりでは1時間あたり最大120TBの仮想バックアップ、最大12TBの継続的な差分取得、最大12TBのリストアが可能というが、18ラックまでシステムを拡張できることから、最大構成では216TBの差分取得、リストアを行える。

仮想フルバックアップ
日本オラクル 専務執行役員 データベース事業統括の三澤智光氏

石井 一志