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SAS Japan、ストリーミング・ビッグデータのリアルタイム分析製品

 SAS Institute Japan株式会社(以下、SAS Japan)は19日、ビッグデータのストリーミングをリアルタイムに分析する「SAS Event Stream Processing Engine(以下、SAS ESPE)」の国内提供を開始した。金融、製造、流通・サービス、通信、電力・ガスなどの幅広い業種に向けて、IoT、金融リスク管理や不正検知などの工ボリュームのリアルタイム処理に最適とする。

 SAS ESPEは、複合ストリーミング処理ソフトの1種で、レイテンシを最小限にしたストリーミング処理とSASアナリティクスを組み合わせている。リアルタイムで発生したデータを即理解し、パターンの検出、イベントの評価、ビジネスの状況を把握。事前に定義したフローによってイベントに応じたアクションを継続的かつ自動的に実行する。

 イベントストリーム処理によって継続的に発生するイベントごとにデータを分析可能。リアルタイムに意志決定するためのイベントストリーム分析機能が提供され、複雑なロジックを処理する。また、着信イベントを分割する機能は帯域幅を節約しつつ、複雑なイベントのために複数の処理経路を生成することが可能。イベントに含まれるテキスト情報を読み取り、抽出した言葉やフレーズを分類し、高頻度で発言されている言葉などをリアルタイムに検出する。独自のパターンマッチング機能を使用すると、連続的または時間的なイベントを定義することも可能だ。

 IoTによる生成されるビッグデータにも最適化され、マシンデータ・センサーデータを収集するOSIsoft社のPI Systemや、Axeda Machine Streams、JMSなどに対応。処理したストリーミングデータはHadoopやインメモリアナリティクスサーバー「SAS LASR Analytic Server」、そのほかのデータベースに格納できる。

 SAS ESPEは、銀行、証券、保険などの金融業界におけるリスク管理・コンプライアンスのためのリアルタイムデータ分析に対応。外部からのマーケット情報や社内のストリーミングデータの継続的なデータ分析を、蓄積されたビッグデータと統合して処理できるという。また、証券会社のトレーディング監視や不正検知、製造業における機器故障検知のためのセンサーデータ分析、スマートメーターが生成するデータのリアルタイム分析、さらには大量のモバイルデバイスを対象にしたリアルタイム・マーケティング・オートメーションなど、さまざまな用途に利用できるという。

川島 弘之